「大学なんて無理していく必要あるのか?」――父を亡くし、入学金78万円を前に途方に暮れる私・みさに、裕福な正尾おじさんは援助を拒んだ。 母にこれ以上頭を下げさせたくない私は、自分で制度を調べ、働いて進学への道を探す。そんな時、泥だらけの作業着で現れた公平おじさんが、養豚の豚を手放して作った120万円を「まず行け」と差し出してくれた。私はその恩を胸に大学を卒業し、10年かけて同じ120万円を貯め、返すため故郷へ戻る。ところが待っていたのは、床に倒れた公平おじさんと、彼の土地を安く手に入れようとする正尾おじさんの会社だった。もう誰かに人生を決めさせない。私は恩人の意思と暮らしを守るため立ち上がる。だが古い封筒から見つかった一枚の便箋が、10年間「借り」だと思っていた120万円の意味を根底から覆していく――。