"学費120万円をくれた伯父と、土地を狙う伯父" 第3話
母は噌汁の鍋のをめてから、ゆっくりと頷きました。
「夜に、何か顔が浮かんだの」
けれど、所録は閉じたままでした。
母方の親戚には、で暮らしているがくいました。
父方にも族を抱えているがいて、まとまったおを急に頼める相はいませんでした。
正尾おじさんだけが、無理をせず貸せるだけの余裕を持っていました。
だから母は昨、そこへをげたのです。
私はテーブルにづきましたが、所録を自分の方へ引き寄せませんでした。
「もう親戚を順番に回るのはやめよう」
母の目ががりました。
「でもみさ、誰かの活まで苦しくして借りても、学に入ったが続かないよ」
言い切ると、し怖くなりました。
自分で頼れるを、自ら減らしていることは分かっていました。
それでも、1週という期限に追われて、相の事も考えず話をかけ続けることはしたくありませんでした。
母はしばらく、所録のにを置いていました。
やがてその本を持ちげ、棚へ戻しました。
「分かった」
その作を見て、親戚に借り歩くは本当に閉じたのだといました。
気持ちだけではなく、私たちは1つの確な選択をしたのです。
朝の、母は仕事へるに、自分の与細を3ヶ分してきました。
私は昨作ったノートをきました。
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賃、気代、ガス代、代、費、通勤費。
毎必ずていく額を、母と緒に1つずつきしていきました。
母の収入は、によってし差がありました。
勤務先の都で、希望した全て働けるわけではなかったからです。
母は細を見つめながら言いました。
「今だけ、増やしてもらえないか聞いてみる」
私は母の顔を見ました。
「無理なら無理でいいから」
その言い方なら、私は止めませんでした。
活を壊すほど働くのは違いますが、勤務先へ相談することまで拒む必はありません。
私はノートに、自分にもできることをきしました。
卒業まで続けていたのアルバイト先で、あと何かシフトに入れるか確認すること。
使っていない参考のうち、売れるものだけ理すること。
京へ持っていく荷物を、最限にすること。
1つ1つは、さな額でした。
それでも、さいからがないとはいたくありませんでした。
母は与細を封筒へ戻しながら、ぽつりと言いました。
「昨ね、正尾兄さんにもう1回だけ頼もうかとも考えた」
私は文字をいていた鉛を止めました。
「お母さんはどうしたい?」
「頼みたくない」
母は迷わず、すぐに答えました。
「断られたからを張るんじゃないの」
母は言葉を選ぶように、しを置きました。
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「みさの努力そのものを必がないみたいに言われた所へ、もう度をげたくない」
私は黙って、母の言葉を聞きました。
昨までなら、私のためにしてと頼んでいたかもしれません。
でも今は、母にそれをさせたくありませんでした。
「じゃあ頼まない」
私がそう言うと、母はさく息を吐きました。
「2で決めたことにしよう」
「うん」
その瞬から、正尾おじさんが気を変えるかどうかは、私たちの計画かられました。
母を仕事へ送りした、私は学へ話をかけるに、元の類を並べ直しました。
格通、入学続きの案内、学費の説、民票など提が必になる類の覧。
昨はただの文字の塊に見えたものが、今はし違って見えました。
どれが今すぐ必で、どれが入学でもにうのかを、分けて考えられるようになっていました。
話の横には、質問をいたノートを置きました。
聞き忘れたら、1週がさらにくなる気がしたからです。
計を見ると、窓がくまでまだがありました。
私はそのに、これまで避けていたことをしました。
父がくなってからの計について、母の通帳を勝に見ることはありませんでした。
けれど、昨母が自分から見せてくれたことで、私は初めて数字としての現実をりました。
母が丈夫という、その丈夫には余裕があるわけではありませんでした。
がないように、何かをしずつろへずらしていただけでした。