"学費120万円をくれた伯父と、土地を狙う伯父" 第1話
「学なんて無理していく必あるのか?」
正尾おじさんはそう言って、母が差ししかけた返済計画のを見ようともしませんでした。
私は横で唇を噛み、わず言い返したくなりました。
しかし、入学の期限は1週に迫っていました。
母の財布にも答えがないことを、私は誰よりもっていました。
だから、ただ黙ってうつむくしかありませんでした。
おじさんのをる、私はふと顔をげました。
磨かれたが、夕に照らされて眩しくっていました。
でもその夜、私たちのらないところで、別の扉が静かにき始めていました。
私は母と並んでをて、背でい玄関の扉が閉まる音を聞きました。
3の夕方はまだえていて、頬に当たるがったよりくじられました。
母はし歩いてから、数歩んだところでち止まりました。
そして、ゆっくりと私の方を見ました。
「みさ、ごめんね」
それだけ言うと、母はしそうに線を元へ落としました。
私は母の肩にそっと触れました。
「お母さんが謝ることじゃないよ」
私はそう答えました。
本当は、もっとい言葉が喉までかかっていました。
けれども、ここでったところで、学へ払うおが増えるわけではありません。
それに、母が今ここへ来るまで、何度も迷い、悩んでいたことを私はっていました。
広告
父がくなってから、母はに借りを作ることをできるだけ避けてきてきました。
自分のを買うのを回しにしても、賃と費と私の学に必なおは決して遅らせませんでした。
その母が、私のために親族のでをげたのです。
私は、責める相を違えたくありませんでした。
私はを伸ばし、母のから学の類が入った封筒を受け取りました。
「まず、あといくらりないか、でちゃんと見よう」
母はすぐには返事をしませんでした。
それでもしして、さく頷いてくれました。
バスへ向かう途、私は度だけち止まり、ろを振り返りました。
きなのには、磨かれたが静かに止まっていました。
さっきまで悔しかったはずなのに、そのは議とりより別のが勝っていました。
同じ親族でも、おに対する考え方はこんなにも違うのだといました。
私は封筒を胸に抱え直し、もう振り返らずに歩きしました。
に着くと、母は鞄を置き、すぐに夕の支度を始めようとしました。
私は台所の子を引き、母に声をかけました。
「今はいいよ」
母は驚いて私を見ました。
「先におのことを理したい」
母は包丁をしかけたを止めました。
それから流しの横に置いた布巾でを拭き、私の向かいの子に座りました。
広告
私は学から届いた案内を封筒からし、テーブルのに広げました。
入学続きに必な額は、78万円でした。
支払いの期限は、ちょうど1週でした。
そこへ京のための交通費や、まいの準備もなってきます。
母はちがり、棚から計用の通帳を持ってきました。
ページをき、今すぐかせるおを確認すると、24万円ほどでした。
ただし、その全額を学へ回せるわけではありません。
翌の賃も気代も費も、元に残しておかなければなりません。
私は鉛を持ち、の端に数字をきしました。
学へ払うお、に残すお、京へくために最限必なお。
計算すればするほど、気持ちだけでは埋められないきな差が見えてきました。
母は通帳を見つめたまま、静かにをきました。
「来予定していた歯の治療を、先に延ばすよ」
私は顔をげ、すぐに止めました。
「活に必なおまで削るのは違うよ」
母は困ったように笑いましたが、私はその数字を計算からしました。
にあるものを売ればどうかとも考えました。
けれど、使っている蔵庫や洗濯まで放して作るおは、学の準備とは呼べません。
私たちは、今の暮らしを壊して1週を乗り切る方法を探しているのではありません。
その先も活を続けられる方法を探すことにしたのです。
母が無理をして全部せば、その次のからの活が崩れてしまいます。