みかん小説
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あなただけ辞めていいわけないでしょ

あなただけ辞めていいわけないでしょ

勤続28年の会社を無断で辞めた夜、妻に罵倒される覚悟だった。だが妻は怒りもせず、机の上に別の『退職願』を滑らせてきた。「私も来月末で辞めるわ。あなたが辞めてよくて、なぜ私はだめなの?」住宅ローンは残り7年、通帳の残高はわずか240万。お互いに「家族のために犠牲になってきた」と過去をぶつけ合う中、大学1年の息子が教務課の受付印が押された『休学願』を机に叩きつける。雇用が切れるまであと6週間。逃げ場を失った家族の、痛切な現実が動き出す。
駅前の雨宿り
120億円の契約を取った帰りにクビになった

120億円の契約を取った帰りにクビになった

120億円の大型契約をまとめ、帰りの新幹線に乗ったその瞬間、私・早瀬凛のもとへ届いたのは突然の懲戒解雇通知だった。旅費の水増しと不適切な接待――だが、その費用はすべて事前承認済み。契約成立を待って私を切り捨て、黒川専務の甥に手柄を横取りさせる罠だった。 しかし彼らは知らない。この契約が、私個人の技術承認と、4年かけて育てた5人の開発チームなしでは動かないことを。私は最終承認を止め、会社を去る。すると120億円案件は凍結し、縁故で据えられた後任は取引先の前で何一つ答えられず、社内では隠されていた不正まで次々と露見していく。会社から「戻ってほしい」とすがられる頃、私はすでに仲間たちと、新しい未来へ踏み出す決意を固めていた――。
早川 凜子
十九年間、夫に翻訳されていた

十九年間、夫に翻訳されていた

結婚十九年目、離婚届を差し出した私に、夫は怒りもせず一冊の古い青いノートを手渡した。そこに並んでいたのは、私の名前と、私が一度も書いたことのない十九年分の「私の本音」だった。夫は私の諦めや沈黙をすべて都合よく翻訳し、家庭の公式記録として積み上げてきたのだ。書斎には同じ手帖が整然と七冊並び、高校生の娘すら「お母さんが言いそうなこと」と父親を疑わない。離婚調停まであと十日。完全に孤立した家の中で、私は自分自身の記憶と戦い始める。
冷めた番茶
私の弁当に、店長の娘の名前

私の弁当に、店長の娘の名前

スーパーの惣菜部で十二年働くパートの私は、現場の経験を注ぎ込んで一人暮らし向けの出汁煮弁当を開発した。テスト販売で完売が続き全国展開が決まるが、提出された企画書の責任者欄には店長の娘の名前が印刷されていた。「君は45歳だ、あの子には将来がある」と店長に口止めされ、同僚の手前沈黙を選んだ私だったが、全国発売を決定づける最終確認書の署名を求められた瞬間、私は手渡されたペンを机に置いた。
雨上がりの商店街
一度死んだ「秋田涼」と7歳の孤児

一度死んだ「秋田涼」と7歳の孤児

「俺と同じ名前の“秋田涼”は、23年前に死んでいた」――結婚を目前に控えた俺・涼は、婚姻届のために取った戸籍謄本から信じがたい事実を知る。0歳から施設で育ち、7歳で秋田夫妻に引き取られたはずなのに、戸籍にはなぜか「実子」と記され、出生地も誕生日も記憶と違っていた。さらに実家で見つけたのは、幼い頃の俺ではない少年と両親が写る古い写真。役所で記録を遡ると、27年前に両親の実子として同名の少年が生まれ、死亡した記録が20年前に消されていたことまで判明する。20年間、惜しみない愛情を注いでくれた両親を疑いたくない。それでも、このまま秘密を抱えて新しい家庭を築くことはできない。俺は戸籍を手に両親へ真実を問いただす。すると寡黙な父は、長年封じてきた過去を語り始めた――なぜ俺は“亡くなった息子”の名で生きることになったのか。その答えは、俺自身も知らなかった出生の秘密へ繋がっていた。
翔太
今回は、探さない

今回は、探さない

突然のリストラで職を失った夫は、出版業界で顔の広い私に「仕事を紹介してくれ」と当然のように求めてきた。十八年間、夫の躓きを先回りして解決してきた私は、初めてその手を引っ込める。三ヶ月で底をつく貯金、娘の留学辞退、再就職の全滅。元課長のプライドを砕かれ、二十歳の青年に怒鳴られながら泥まみれで働く夫を前に、私の手元には元同僚から持ちかけられた「年収七百五十万の優良求人」があった。手を差し伸べれば元通りの生活に戻れる。だが、それを差し出せない理由が私の中にもあった。
夕暮れの換気扇

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臨月に捨てられた女医、18年後の審判

臨月に捨てられた女医、18年後の審判

妊娠10ヶ月の臨月を迎えた夜、エリート医師の夫・俊彦は「愛人が跡継ぎの男児を身籠もった。高齢のお前が産むのはどうせ障害児だ」と哄笑し、離婚届を突きつけて私を極寒の路頭へ叩き出した。12年の不妊治療の末に授かった命を呪われ、医師のキャリアも奪われた私。だが18年後、地方病院のロビーで零落した元夫と愛人に再会する。悪態をつく元夫に対し、私が「そこの世界的天才バイオリニスト、私の娘ですが」と告げた瞬間、屈強な男が現れて――。
白瀬 唯
失明を装った夫と結婚詐欺女の末路

失明を装った夫と結婚詐欺女の末路

結婚してわずか一か月、夫・レンは「このままでは失明する」と告げられた。私は仕事も家事も背負い、彼の目となり足となって支え続けた。ところが預金口座から金が消え、大切なアクセサリーやブランド品まで次々と紛失する。警察に「身内の犯行では」と言われても、目の見えない夫だけは疑えなかった。そんな半年後、通院先で新しい医師から告げられたのは、「ご主人は失明していません」という衝撃の事実。さらにレンには、過去に結婚詐欺を疑われた経歴まであった。愛も献身もすべて嘘だったのか。私は何も知らないふりをして夫を警察署へ連れ出し、その演技を暴く。そして奪われた金と人生を取り戻すため、離婚と法的な反撃を決意する。だが捜査の先には、レンが私と結婚する以前から続いていた、もう一人の女との恐ろしい計画が隠されていた――。
小春の夜話
三億円を迫った夫と偽造DNA

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「浮気したあばずれ女だ。慰謝料3億円払え」――5歳の息子がO型だと判明した瞬間、AB型だと信じていた夫は私の不貞を決めつけた。病院での取り違えを疑う私の言葉には耳も貸さず、夫は義母と共に私を罵り、息子の髪まで無理やり抜いてDNA鑑定を強行。さらに「親子関係なし」という結果を突きつけ、病気の息子ごと家から追い出した。長年、学歴を理由に私と息子を虐げてきた義母を、それでも信じ続けた夫。その裏切りに心が切れた私は、実家へ戻り家族と反撃を決意する。だが義実家で再び3億円を要求されたその時、海外から帰国した兄が現れた。「その鑑定結果、一致するわけないよ」――兄が再生した一つの録音から、夫と義母が仕組んだ計画、そして血液型に隠されたさらに深い秘密が崩れ始める――。
小春の記録
娘の十七万円を愛人に貢いだ夫の末路

娘の十七万円を愛人に貢いだ夫の末路

海外留学中の娘から届いた手紙には、「毎月1500円の仕送りでも頑張ってるよ」と書かれていた。私は毎月17万円を送っているはずなのに――。不審に思った私・富が調べると、残りの16万8500円は夫・直太の隠し口座へ流れていた。長年、私と娘には「無駄遣いは悪だ」と我慢を強い、教師の仕事まで辞めさせた亭主関白の夫。その裏で彼は、出張と偽って若い女性と旅行し、娘の留学費まで貢いでいたのだ。異国で卵ともやしに耐えていた娘を思うと、悲しみは凍るような怒りへ変わった。もう黙って従う妻ではいない。私は銀行の記録を確認し、探偵に素行調査を依頼して証拠を集める。そして休日、偉そうに「一家の主」を語る夫へ静かに問いかけた。「例の彼女には、一体いくら貢いだの?」――その一言から、偽りの亭主関白を引きずり下ろす私の反撃が始まる。
小春の夜話
五十万円の便利妻

五十万円の便利妻

義父の四十九日を終えた日曜の朝、商社の係長へ昇進した夫から緑の離婚届を突きつけられた。「腰を壊したお前は出世の邪魔。手切れ金50万で出て行け」。4年間、排泄の世話まで一人で背負い続けた私を、夫は「無償の介護要員」として切り捨てたのだ。愛人とタワマンへ移る気満々の夫。だが、冷え切った私の手元には、四年間の一切を記した【介護日誌】と、義母から託された反撃の鍵が握られていた。
底冷えの台所
日本一情の深い父の裏の顔

日本一情の深い父の裏の顔

妹がサービスエリアで姿を消して5年。全国を巡り「日本一情の深い父親」と称賛される父から、私は古いワゴン車を譲り受けた。だが車内の清掃中、妹の指定席だったシートベルトが事故の衝撃で「4センチ」伸びきっているのを発見する。さらに奥底から見つかったのは、刃物で切断された妹の防犯ブザーだった。父に問いただすと、かつてない冷酷な声で「今すぐ車を処分しろ」と脅され――。私は父の狂気と真実を暴くため、ある決断を下す。
雨の日のワイパー

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夫が届出た私の失踪

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真面目一筋だった夫が無断欠勤し、行方を追って警察署へ駆け込んだ私は、窓口で耳を疑う言葉を告げられた。昨夜、夫自身が私の捜索願を出していたという。日曜の夜も自宅にいたはずの私を、夫は二日前から消えた妻として警察に届けていた。職場のタイムカードは私の勤務を証明しているのに、帰宅した自宅の玄関には夫の濡れた傘が置かれ、ダイニングテーブルには夫の筆跡で「帰ってきたんだな」と一行だけ書かれた黄色い付箋が残されていた。
買い置きの麥茶
消えた夫と十二時十分の弁当

消えた夫と十二時十分の弁当

月曜の朝、普段通り出勤した夫がそのまま姿を消した。会社も無断欠勤で警察も手掛かりがない中、失踪三日目の昼十二時十分、私の営む弁当屋の端末が注文票を吐き出した。届け先は夫の会社近くのロッカー、内容は夫が決まって頼む『梅干し抜き、玉子焼き追加』のAセット。配達後すぐに荷物は持ち去られ、翌日も同じ注文が入った。そして土曜日の備考欄には、夫婦二人しか知らない健康診断の数値に合わせた『玉子焼きは増やさないで』の文字が並んでいた。
夕暮れの買い物かご
私を捨てるはずだった夫

私を捨てるはずだった夫

結婚二十一年目を迎え、娘の独立を機に夫と二人で駅前の新居へ移ることになった。だが引越し当日の朝、大家から夫が先月「一人で退去する」と手続きしていたことを知らされる。混乱したまま荷物を運び入れた夜、夫の段ボールから出てきたのは、二ヶ月前に購入された一人暮らし用の小型冷蔵庫の領収書と、私を切り離した後の生活費が几帳面に並ぶ大学ノートだった。暗闇の中、起きてきた夫が無言で私の手元を見つめていた。
ぬるい番茶
私の遺産を仕分ける夫

私の遺産を仕分ける夫

三十年間、毎朝五時に起きて夫の朝食を作り続けてきた。経営が苦しい夫を支えるため食費を切り詰めていた矢先、父が他界し私に遺産が入ることになった。だが手続きで訪れた事務所で、弁護士は平然と告げた。「ご主人は今月、もう三度来られましたよ。いつ口座に入るかと」。その夜、何食わぬ顔で食卓についた夫は、私の作った味噌汁をすすりながら「手続きは順調か」と探りを入れてきた。私は夫の目をまっすぐ見つめ返した。
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結婚式を欠席した家族は、私の夫をただの現場作業員だと思っていた

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『結婚式当日、親族全員に見捨てられた私を救ったのは、作業着姿の夫だった』 真柴裕子は、幼い頃から弟を優先され続け、「お姉ちゃんなんだから」と我慢を強いられて生きてきた。努力して働いても家族から認められることはなく、自分は“普通の存在”だと思い込んでいた。 そんな裕子の前に現れたのが、現場で働く職人・真柴和彦だった。飾らない優しさと、裕子の仕事を心から尊重してくれる姿に、彼女は初めて自分の価値を認めてもらえたと感じる。 しかし結婚式当日、裕子を待っていたのは、親族席に並ぶはずだった家族全員の裏切りだった。弟の就職祝いを優先し、両親や親戚は誰一人として式場へ現れない。 さらに弟・拓也は、和彦の仕事や過去を見下し、知らないところで大きな問題を起こしていた。 だが、裕子が“ただの現場作業員”だと思っていた和彦には、誰も知らないもう一つの顔があった。 家族に否定され続けた女性が、本当に自分を大切にしてくれる人々と出会い、過去の傷と向き合いながら人生を取り戻していく逆転の物語。
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「貧乏神」と追い出された私、実家に帰ったら元夫一家が慌て始めました

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『今すぐ出てけ役立たず』義母と夫に追い出された私を迎えに来たのは―― 佐々木智美は、夫・蓮人と結婚して二年。仕事と家事を両立しながら穏やかな家庭を築こうとしていたが、ある日を境に生活は一変する。 夫の母・悦子が合鍵を使って家に入り込み、家事への執拗な干渉や実家への侮辱を繰り返すようになったのだ。さらに夫も妻を守るどころか、「母さんの言う通りだ」と智美を責め続ける。 耐え続けた智美だったが、ある日、家族から大切に育てられた野菜までゴミのように扱われた瞬間、心の糸が切れる。 「もう、ここにいる理由はない」 離婚を決意した智美に、夫と義母は「貧乏神」「役立たず」と笑いながら家を追い出す。 しかし、深夜に迎えに来た家族の車を見た瞬間、二人の表情は凍りつく。 見下していた“田舎の家族”には、誰も知らなかった過去と力があった。 これは、愛する人に裏切られ、自分の価値まで否定された女性が、家族の支えを得て本当の人生を取り戻していく物語。
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