みかん小説
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「お前はただの手伝いだ」

「お前はただの手伝いだ」

夫の実家である葬儀社で十五年間、深夜の遺体搬送や泥仕事を一手に引き受けてきた私。だが夫は若い従業員を選び、「お前はただの手伝いだ」と私を追い出した。鍵を返した翌朝、急逝した義母の遺品から見つかったのは、跡継ぎである長男の関与を禁じ、全権を私に託す公正証書だった。指定されたのは最も狭い旧式の小ホールと、わずか二十七名だけの参列名簿。激高する元夫を前に、私は義母が遺した最後の依頼を引き受けることになる。
昨日の出汁
母の通帳に記された450円の謎

母の通帳に記された450円の謎

「毎月5万円の仕送りが、なぜ450円に……?」大病院で働く息子からの仕送りを頼りに、築40年のボロアパートで寒さに震えながら暮らす80歳のしず子。夫の遺した100万円の貯金箱も突如として姿を消し、息子の妻・花江からは「お前の頭がおかしくなった」と罵られ、連絡さえ絶たれてしまう。極限の寒さと飢えの中、ついに栄養失調で雪の中に倒れ込んだしず子。病院のベッドで知らされたのは、息子の「5万円を渡していた」という言葉と、嫁が隠し続けていた恐るべき裏切りの真実だった。失われた絆と隠された通帳の秘密、そして極悪な嫁に下る裁きとは――?
田中 誠
女刑事が止めた息子夫婦宅の毒寿司

女刑事が止めた息子夫婦宅の毒寿司

「あの家には絶対に行かないで」――息子夫婦との夕食へ向かう電車で、私・チコは突然、刑事を名乗る女性に引き止められた。優しく理想的な嫁だと信じていた鈴には、前夫や両親が相次いで不審死し、そのたびに多額の保険金を受け取っていた過去があった。しかも私自身も、息子・亮太に勧められて2000万円の生命保険へ加入している。まさか、手塩にかけて育てた息子まで私たちの命を狙っているのか――。信じたい気持ちと恐怖の間で揺れながらも、私は夫・新一と真相を確かめることを決意。小型カメラを仕込んだぬいぐるみを手に息子の家へ向かい、食卓に並んだ寿司を入れ替える。すると亮太と鈴の顔から、一瞬で血の気が消えた。逃げ出した私たちが残した映像には、家族への信頼を完全に壊す会話と、さらに別の人物へ繋がる恐ろしい秘密が記録されていた――。
夕凪の手紙
3ヶ月開けなかった白い封筒と流産した妻

3ヶ月開けなかった白い封筒と流産した妻

「その女をずっと抱きしめていればいい。私は今日からあなたの妻を辞める」――夫・啓介の会長室を訪れた桜が目にしたのは、秘書・リナを抱きしめる夫の姿だった。10年近く彼を愛し、傾いた会社を立て直すため自分のキャリアも睡眠も削り、陰で戦略案まで作ってきた桜。それでも啓介は妻の献身を当然と思い、「感情的になるな」と切り捨てる。もう限界だった。桜は署名済みの離婚届を残し、共同口座や連絡先を整理して姿を消す。啓介は「数日で戻る」と高を括るが、彼女が消えた途端、家庭だけでなく会社でも、自分がどれほど桜に支えられていたかを思い知らされていく。そして机の奥には、桜が「読まなければ一生後悔する」と告げた白い封筒が残されていた。その中には、彼が決して知らなかった“あの日”の真実が眠っていた――。
美穂
認知症の父がベッド裏に隠したノート

認知症の父がベッド裏に隠したノート

「どちら様でしたかね?」認知症と診断された71歳の父を見舞うため、神戸から東京の実家へ駆けつけた私。だが、母と2人の姉は「早く死ねば遺産と保険金が入る」と冷笑し、食器棚の奥には数百錠もの未開封の睡眠薬が隠されていた。わずか半年で急激に衰弱し、暗い和室へ閉じ込められた父。深夜2時、私が忍び寄ると、微かに目を開けた父が震える手で介護ベッドの木枠をトントンと叩き続けた。スプリングの裏側にガムテープで貼り付けられていた一通の分厚い茶封筒。その中に遺されていた「戦慄の記録」とは――。
水瀬 遙香
売上150倍の料理長を追い出し、客が7割消えた

売上150倍の料理長を追い出し、客が7割消えた

個人経営のカレー店で厨房を任され、わずか1年で売上を150倍に伸ばした料理人・明。ところが社長の息子・竹夫は、その実績を店のブランド力のおかげだと決めつけ、「次のステージに羽ばたいてみたら」と事実上の退職を促す。 明が去った数日後、店の売上は一気に70%減少。客からは「以前と風味が違う」と不満が相次ぎ、明が移った2ブロック先のライバル店だけが大繁盛し始める。 焦った竹夫は同じスパイスを使えば再現できると全資金を広告につぎ込むが、結果はさらに悪化。 そこで初めて、店を支えていたのは材料ではなく、明が長年培った熟成、香り、調合の技術だったと知る。 経営破綻寸前となった竹夫は頭を下げて戻ってほしいと懇願するが、すでに明には、自分を正当に評価してくれる新しい居場所があった――。
久保田 明

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臨月に捨てられた女医、18年後の審判

臨月に捨てられた女医、18年後の審判

妊娠10ヶ月の臨月を迎えた夜、エリート医師の夫・俊彦は「愛人が跡継ぎの男児を身籠もった。高齢のお前が産むのはどうせ障害児だ」と哄笑し、離婚届を突きつけて私を極寒の路頭へ叩き出した。12年の不妊治療の末に授かった命を呪われ、医師のキャリアも奪われた私。だが18年後、地方病院のロビーで零落した元夫と愛人に再会する。悪態をつく元夫に対し、私が「そこの世界的天才バイオリニスト、私の娘ですが」と告げた瞬間、屈強な男が現れて――。
白瀬 唯
失明を装った夫と結婚詐欺女の末路

失明を装った夫と結婚詐欺女の末路

結婚してわずか一か月、夫・レンは「このままでは失明する」と告げられた。私は仕事も家事も背負い、彼の目となり足となって支え続けた。ところが預金口座から金が消え、大切なアクセサリーやブランド品まで次々と紛失する。警察に「身内の犯行では」と言われても、目の見えない夫だけは疑えなかった。そんな半年後、通院先で新しい医師から告げられたのは、「ご主人は失明していません」という衝撃の事実。さらにレンには、過去に結婚詐欺を疑われた経歴まであった。愛も献身もすべて嘘だったのか。私は何も知らないふりをして夫を警察署へ連れ出し、その演技を暴く。そして奪われた金と人生を取り戻すため、離婚と法的な反撃を決意する。だが捜査の先には、レンが私と結婚する以前から続いていた、もう一人の女との恐ろしい計画が隠されていた――。
小春の夜話
三億円を迫った夫と偽造DNA

三億円を迫った夫と偽造DNA

「浮気したあばずれ女だ。慰謝料3億円払え」――5歳の息子がO型だと判明した瞬間、AB型だと信じていた夫は私の不貞を決めつけた。病院での取り違えを疑う私の言葉には耳も貸さず、夫は義母と共に私を罵り、息子の髪まで無理やり抜いてDNA鑑定を強行。さらに「親子関係なし」という結果を突きつけ、病気の息子ごと家から追い出した。長年、学歴を理由に私と息子を虐げてきた義母を、それでも信じ続けた夫。その裏切りに心が切れた私は、実家へ戻り家族と反撃を決意する。だが義実家で再び3億円を要求されたその時、海外から帰国した兄が現れた。「その鑑定結果、一致するわけないよ」――兄が再生した一つの録音から、夫と義母が仕組んだ計画、そして血液型に隠されたさらに深い秘密が崩れ始める――。
小春の記録
五十万円の便利妻

五十万円の便利妻

義父の四十九日を終えた日曜の朝、商社の係長へ昇進した夫から緑の離婚届を突きつけられた。「腰を壊したお前は出世の邪魔。手切れ金50万で出て行け」。4年間、排泄の世話まで一人で背負い続けた私を、夫は「無償の介護要員」として切り捨てたのだ。愛人とタワマンへ移る気満々の夫。だが、冷え切った私の手元には、四年間の一切を記した【介護日誌】と、義母から託された反撃の鍵が握られていた。
底冷えの台所
娘の十七万円を愛人に貢いだ夫の末路

娘の十七万円を愛人に貢いだ夫の末路

海外留学中の娘から届いた手紙には、「毎月1500円の仕送りでも頑張ってるよ」と書かれていた。私は毎月17万円を送っているはずなのに――。不審に思った私・富が調べると、残りの16万8500円は夫・直太の隠し口座へ流れていた。長年、私と娘には「無駄遣いは悪だ」と我慢を強い、教師の仕事まで辞めさせた亭主関白の夫。その裏で彼は、出張と偽って若い女性と旅行し、娘の留学費まで貢いでいたのだ。異国で卵ともやしに耐えていた娘を思うと、悲しみは凍るような怒りへ変わった。もう黙って従う妻ではいない。私は銀行の記録を確認し、探偵に素行調査を依頼して証拠を集める。そして休日、偉そうに「一家の主」を語る夫へ静かに問いかけた。「例の彼女には、一体いくら貢いだの?」――その一言から、偽りの亭主関白を引きずり下ろす私の反撃が始まる。
小春の夜話
母の通帳に記された450円の謎

母の通帳に記された450円の謎

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田中 誠

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遺品を捨てられた妻✕翌朝土下座する義母

遺品を捨てられた妻✕翌朝土下座する義母

母の四十九日を終えた直後、義母は母の遺品である錆びたビスケット缶を「死人のガラクタ」とゴミ袋にねじ込んだ。夫も同調し、身重の私に実家を売れと迫る。翌朝、集積所から缶を回収した私のもとへ義母が血相を変えて駆け込み、玄関の床に額を擦りつけて平伏した。あの傲慢な義母が、震える声で私に懇願した。「お願い、それだけは開けないで」
三和土の冷たい水
七年越しに再婚する私✕見知らぬ子と失踪夫

七年越しに再婚する私✕見知らぬ子と失踪夫

再婚当日の控室に、七年前蒸発した元夫が見知らぬ六歳の男児を連れて現れた。「式は中止だ。この子を救うため娘を連れていく」。拒絶する私に、十七歳の娘は泣き崩れて告げた。「お母さん、断ったらあの子が死んじゃうの……」。三週間前から娘を親情で縛り、私の再婚を狙い撃ちにして仕組まれた、元夫の非情な罠だった。
控え室の冷めた紅茶
夫の死を告げられた夜、届いた私の熟睡写真

夫の死を告げられた夜、届いた私の熟睡写真

「遺体は損傷が酷いから、絶対に見に来るな」 出張中の夫が事故死したと義母に告げられた夜。 午前3時17分、死んだはずの夫から届いたのは、たった10分前に【ベッドで熟睡する私】を写した写真だった。 直後、深夜の玄関でカチャリと回される合鍵。 暗闇で震える私が枕元の時計で見つけてしまったのは、半年前から私の頭上を見下ろしていた極小のカメラレンズだった。 夫は生きているのか。 それとも私は16年間、悪魔と同じベッドで眠っていたのか――?
枕元の青い光
孤島に捨てられた母✕式場の主賓席に座る亡夫

孤島に捨てられた母✕式場の主賓席に座る亡夫

結婚前日、娘に孤島へ置き去りにされ最終便を見送った私。電話越しの娘は「母は十年前に死んだと伝えたから式に来ないで」と言い放ち、その背後から十五年前に海で消えた夫の声が響いた。翌朝、式場へ駆けつけると席次表には『故人』の文字。さらに主賓席には、私を「情緒不安定な部外者」と見下ろす亡き夫の姿があった。警備員が迫り娘が震える中、私は十五年抱え続けた証拠を新郎の前に叩きつけた——。
最終便の汽笛
狂人にされた私と、義母の同じ受診票

狂人にされた私と、義母の同じ受診票

消えた貯金420万円を追及した翌朝、夫から手渡されたのは精神科の予約票と、私を被害妄想と決めつける「受診メモ」だった。絶望する私の元へ突然現れたのは、不仲な義母。その手には一年前の日付が入った、一言一句同じ受診メモと、同じく奪われた830万円の記録が握られていた。夫が親族を抱き込み、私から全財産権を奪う契約書で追い詰めてくる中、二人の女は反撃に出る。親族会議の机に、二枚の紙が並べられた瞬間――。
二枚目の複寫伝票
五万円で捨てられた娘

五万円で捨てられた娘

母の初七日、長男夫婦は戸籍謄本を突きつけ「赤の他人だ、五万で出ていけ」と六年介護した私に実家の相続放棄を迫った。だが弁護士を通じて明かされたのは、十七年前に長男が実家の持分を母へ売り渡した一千八百万円の契約書だった。月末に二千五百万円の手形決済を控え、無断売却の期限に追いつめられた長男は親族会議を招集。血筋を盾に妹を糾弾しようとする親族一同の前で、亡き母が遺した最後の書類の封が切られようとしていた。
仏壇の線香灰

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