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止まったカードと空の家

止まったカードと空の家

夫の正文が「会社の旅行」と言って家を出た朝、私はすべてを知っていた。 行き先で待っているのは会社の同僚ではなく、高校時代からの親友・美津。しかも夫は、私名義のクレジットカードを勝手に使い、親友との食事や買い物にまで手を出していた。 泣いて問い詰めることはしなかった。証拠はすでにそろっている。娘も、父親の異変に気づいていた。 「引っ越すよ」 夫が浮気旅行を楽しんでいる間に、私は娘と新しい家へ向かった。そして夫のカードを止め、彼の荷物を“ある場所”へ送りつける。 旅行先で支払いができなくなった夫。荷物を受け取った親友の家。そして、空っぽの部屋へ戻ることになる裏切り者。 夫と親友を同時に失った私が、娘と本当の人生を取り戻すまでの物語。
舞の新居ノート
元嫁の15枚返し

元嫁の15枚返し

離婚から3日後の午前5時。佐藤恵子の携帯に、元姑から突然電話がかかってきた。 「今すぐ来て、法事の料理を用意しなさい」 12年間、家事も介護も金銭の穴埋めもすべて背負ってきた恵子。だが夫は秘書と関係を持ち、姑と義妹は彼女を使用人のように扱い、最後には荷物同然に家から追い出した。 それでも彼女たちは、恵子がいなくなって初めて、自分たちの生活が何によって支えられていたのかを知ることになる。 恵子名義の15枚のカード。 義父が病室で密かに残した遺言。 そして、10億円のペントハウスの本当の所有者。 元嫁を見下していた家族が、最も頼り切っていたものを一つずつ失っていく中、恵子は静かに告げる。 「あなた方は、もう私とは何の関係もない人たちです」 これは、“良い嫁”でいることをやめた女性が、自分の名前で人生を取り戻すまでの物語。
朝焼けの手帳
北アルプスの0.5秒

北アルプスの0.5秒

2024年、東京都足立区の古いアパートで、1台のビデオカメラが見つかった。 持ち主は孤独死した60代の男。クローゼットの奥に隠されていた登山リュックの中から出てきたそのカメラには、15年前の北アルプスで撮影された映像が残されていた。 日付は2009年10月24日。 その日、資産家社長・坂本竜三の愛人だった伊藤桜は、登山中に突然姿を消した。直前に坂本と激しく口論し、森へ逃げ込んだ彼女を坂本が追いかけたため、誰もが「犯人は坂本だ」と信じていた。 しかし、遺体も物証も見つからず、事件は未解決のまま15年が過ぎる。 そして発見された映像には、誰も知らなかった桜の本当の顔が映っていた。 彼女は誰かと電話をしていた。坂本を騙し、財産を奪う計画を語りながら、さらに別の裏切りまで口にしていたのだ。 次の瞬間、カメラは激しく揺れ、悲鳴とともに崖下へ落ちていく。 最後に映ったのは、崖の上に立つ一人の男の影。 15年間、無実の男を犯人にし続けた事件の真相が、わずか0.5秒の映像から動き出す――。
山影しおり
断髪新郎の逆転婚礼

断髪新郎の逆転婚礼

抗がん剤治療で髪を失った彩佳は、唯一の家族である兄・健太の結婚式に出席することになった。 両親を亡くしてから、兄妹2人で支え合って生きてきた彩佳。兄の幸せを心から願い、母の形見のスカーフを巻いて式場へ向かう。 しかし、兄嫁の母・礼子は、そんな彩佳を見た瞬間、冷たい言葉を投げつけた。 「その頭で親戚席に座る気なの?」 病気の妹は縁起が悪い。式に出るな。兄との縁も切れ――。 追い詰められた彩佳の前に現れた健太は、笑顔のまま静かに言い放つ。 「では、新郎ごと帰りますか?」 その一言で礼子の顔色は変わった。 だが本当の反撃は、披露宴で用意されていた“新郎新婦、最初の共同作業”から始まる。
スカーフの彩佳
親友に夫を譲った日

親友に夫を譲った日

家事、育児、義母の介護、そしてパート。 小島弥生は10年間、夫・友幸の家庭を支えるために、休む暇もなく働き続けてきた。 そんなある日、出張から戻ったはずの夫が、突然リビングで土下座する。 「お前の親友を妊娠させた」 隣にいたのは、大学時代から親友だと思っていた舞子だった。舞子は悪びれるどころか、勝ち誇った顔で言い放つ。 「旦那はもらうから、あんたは出ていって」 しかし弥生は泣き崩れることも、怒鳴ることもしなかった。 「喜んで」 そう答えた彼女は、実は5年前からすべてを知っていた。夫の裏切りも、親友の本性も、そして自分が見下され続けていたことも。 証拠、住まい、収入、義母の行き先。 すべての準備を終えた弥生が静かに家を出た3日後、舞子から血相を変えた電話がかかってくる。 奪ったはずの夫には、もう何も残っていなかった――。
やよいの再出発メモ
追放母の25億売却

追放母の25億売却

お盆のため、長崎から東京の息子夫婦のペントハウスを訪れた田中春江。 亡き夫に手を合わせ、息子の好物を詰めた重箱を抱え、半日かけて上京した彼女を待っていたのは、温かな家族の食卓ではなかった。 嫁・里奈は春江の手料理を目の前で捨て、安いホテルの予約票を差し出す。さらに息子夫婦は、自分たちが旅行へ行く間、愛犬の世話だけを春江に押しつけようとしていた。 長年、息子のために働き続け、すべてを与えてきた母。だがその日、春江はようやく気づく。 自分は家族として呼ばれたのではない。ただ都合よく使われるために呼ばれただけだった。 その夜、春江は20年以上連絡を取っていなかった“ある人物”に電話をかける。 翌日、息子夫婦が暮らしていた天空の城は、静かに動き始めた――。
坂道はる便り

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足柄サービスエリア失踪事件

足柄サービスエリア失踪事件

1991 年春、東名高速足柄 SA で起きた未解決だった悲劇。 大阪へ新婚旅行に向かう途中、「トイレへ行く」と言った妻が跡形もなく消えた。 夫は毎月現場を訪ね、テレビの人探し番組にも出演し、私立探偵まで雇い 11 年待ち続けた。 時が流れ老朽化した SA の改修工事で、ロッカーの隙間から古い財布が出土。 進化した科学捜査が財布から犯人の指紋を検出し、長年隠されていた殺人の事実が白日の下に晒される。 一方的な執着は愛ではない、拒絶を受け入れられない歪んだ欲望が一人の女性の人生を奪った実話。
秋田 悠真
元嫁の15枚返し

元嫁の15枚返し

離婚から3日後の午前5時。佐藤恵子の携帯に、元姑から突然電話がかかってきた。 「今すぐ来て、法事の料理を用意しなさい」 12年間、家事も介護も金銭の穴埋めもすべて背負ってきた恵子。だが夫は秘書と関係を持ち、姑と義妹は彼女を使用人のように扱い、最後には荷物同然に家から追い出した。 それでも彼女たちは、恵子がいなくなって初めて、自分たちの生活が何によって支えられていたのかを知ることになる。 恵子名義の15枚のカード。 義父が病室で密かに残した遺言。 そして、10億円のペントハウスの本当の所有者。 元嫁を見下していた家族が、最も頼り切っていたものを一つずつ失っていく中、恵子は静かに告げる。 「あなた方は、もう私とは何の関係もない人たちです」 これは、“良い嫁”でいることをやめた女性が、自分の名前で人生を取り戻すまでの物語。
朝焼けの手帳
午前三時の逃走

午前三時の逃走

深夜3時、75歳の田中節子のもとに、海外出張中の息子・優一から一本の電話がかかってきた。 「母さん、今すぐ逃げて」 半年間まともに連絡が取れなかった息子の声は、切迫していた。玄関ではなく勝手口から出ること。荷物は持たないこと。絶対に振り返らないこと。 夫が遺した世田谷の家で、節子はいつの間にか孤立していた。嫁の美香とその両親は、優しい顔で家に入り込み、台所を奪い、電話を取り上げ、外出を制限し、節子を“認知症の老人”に仕立て上げようとしていた。 そしてある夜、節子は壁の向こうから聞いてしまう。 「実印さえ手に入れば、いつでも動ける」 狙われていたのは、亡き夫が節子のために残した家と財産だった。 息子の電話を信じ、節子は深夜の家を抜け出す。だが、逃げた先で待っていたのは、さらに大きな真実だった。 夫は生前、すべてを見越していたのか。 閉じ込められた老女が、失われかけた人生を取り戻すために立ち上がる、静かな逆転の物語。
梅庭せつこ
槍ヶ岳の残響 消えた登山家の真実

槍ヶ岳の残響 消えた登山家の真実

1998年、北アルプス槍ヶ岳で忽然と姿を消した女性登山家・伊藤さゆり。 警察は長年、遭難事故として処理した。 だが9年後、絶壁の岩隙間に眠っていた一台のカメラが、誰も知らなかった戦慄の真実を暴き出す―― 岩壁に刻まれた山岳会のロゴ、隠された証拠、裏切りと殺意。 埋もれた十年の沈黙が、今、崩れ落ちる。 山岳失踪事件の裏に隠された悪意、決定的な証拠がついに判明!
雪川 凜
名刺一枚の逆転縁談

名刺一枚の逆転縁談

美容師として働く藤井まなみは、恋人・桜庭優馬からプロポーズを受け、結婚を決意する。 しかし、優馬の両親は最初からまなみを見下していた。服装、髪色、職業、そして実家のことまで決めつけ、「うちの息子とは釣り合わない」と一方的に別れを迫ってくる。 迎えた両家顔合わせの日。 港区のタワーマンション暮らしを誇る優馬の父は、まなみの父が「スーパーで働いている」と聞いた途端、露骨に笑った。 「スーパー勤めのお父さんでは、家柄がねぇ」 その場で結婚をなかったことにしようとする桜庭家。まなみは悔しさに言葉を失うが、父は最後まで穏やかな表情を崩さなかった。 そして静かに、1枚の名刺を差し出す。 それを受け取った瞬間、優馬の父の顔色が変わった。 見下していた“スーパー勤めの父”の本当の正体とは。 家柄や肩書きで人を判断した家族が、たった1枚の名刺で言葉を失う――痛快な逆転劇。
まなみ
ロッカー裏の花嫁

ロッカー裏の花嫁

1991年5月、新婚旅行へ向かう途中の足柄サービスエリアで、結婚してわずか3日目の妻・鈴木彩が突然姿を消した。 「すぐ戻るわね」 そう言ってトイレへ向かったはずの彩は、売店にも食堂にも駐車場にもいなかった。財布だけを持って車を降り、身分証明書も荷物も残したまま、彼女は人混みの中から跡形もなく消えてしまう。 夫の佐藤匠は必死に妻を探し続けたが、目撃者も防犯カメラもなく、事件は未解決のまま時間だけが過ぎていった。 しかし10年後、サービスエリアの改装工事中、古いロッカーの裏から埃まみれの財布が見つかる。 そこに残されていた指紋が示したのは、夫でも通りすがりの犯人でもない、彩の過去にいた1人の男だった。 新婚3日目の花嫁は、なぜサービスエリアで消えたのか。 そして、10年間ロッカーの裏に眠っていた財布は、どんな真実を語り始めるのか――。
あしがら記録

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消えた女将と800万の通帳

消えた女将と800万の通帳

大阪・難波の路地裏で、安くて温かい料理を出す「3000円酒場」。 女将の中村義子は、うどん屋から店を立て直し、常連たちに愛される繁盛店を作り上げた。だがその裏で、働かない夫・武夫に売上を持ち出され、心身ともに追い詰められていた。 やがて義子は店を800万円で手放し、小さな部屋で静かに人生をやり直そうと決意する。 しかし、その金を狙っていたのは夫だけではなかった。店を買った男もまた、思うようにいかない経営に苦しみ、義子へ「金を返せ」と迫るようになる。 そして2009年9月14日。 親友の定食屋で「ありがとう」とだけ残した義子は、その日の夕方、夫と並んで歩く姿を最後に忽然と姿を消した。 夫か、それとも店を買った男か。 2人の容疑者が浮かび上がる中、真相は5年間闇に沈み続ける。 そして2014年秋。大阪から遠く離れた埼玉の荒れ地で、止まっていた時間が突然動き出す――。
燈子の路地裏
泥まみれの客と黒塗り5台

泥まみれの客と黒塗り5台

土砂降りの夜、タクシー運転手の佐藤美咲は、泥だらけで道端に立ち尽くす1人の老人を見つけた。 他のタクシーは、車が汚れることを嫌って次々と通り過ぎていく。中には、老人をあざ笑い、泥水まで浴びせて走り去る運転手もいた。 月末までにノルマを達成できなければクビ。幼い娘の手術を控え、仕事を失うわけにはいかない美咲も、一瞬だけ迷った。 それでも彼女は車を止める。 「シートなんて洗えばいいんです」 そう言って老人を乗せ、傘を差し、温かい缶コーヒーを手渡した。 しかし翌朝、美咲を待っていたのは、汚された車両と突然の解雇通告だった。 泣き崩れる彼女の前に、5台の黒塗りの車が営業所へ現れる。 昨日の泥だらけの老人は、いったい何者だったのか。 たった1本の缶コーヒーが、彼女の人生を大きく変えていく――。
夜明けのハンドル
200円の家族

200円の家族

23歳の大学生・高橋翔太は、感情を捨てたように生きていた。 友人の誘いも断り、食事も会話もすべてを「合理的かどうか」で判断する日々。そんな彼が、ある日ファミレスで会計できずに困っている母子と出会う。 所持金は300円。小さな娘を連れた母親は、夫に貯金を持ち逃げされ、住む場所さえ失っていた。 翔太は不足分の200円を支払い、さらに母子を自分の部屋へ連れて帰る。最初はただの合理的な判断。そのはずだった。 しかし、温かい手料理、少女の「ありがとう」、そして夜中に聞こえた小さな泣き声が、5年間閉ざしていた翔太の心を少しずつ揺らしていく。 なぜ彼は笑わなくなったのか。 なぜ「感情は判断を誤らせる」と言い続けるのか。 助けたはずの母子との出会いは、やがて翔太自身が封じ込めてきた過去を呼び覚ましていく――。
海辺の六法ノート
恩に沈む猛獣舎

恩に沈む猛獣舎

2002年、兵庫県宝塚市の小さな私設動物園で、ベテラン飼育員・郡山安が忽然と姿を消した。 猛獣舎に残されていたのは、きれいに揃えられた黒い長靴と、日付だけが書かれた飼育手帳。扉は内側から施錠され、そばには長年彼が世話をしてきたベンガルトラがいた。 町ではすぐに噂が広がった。 「あの飼育員は、虎に呑み込まれたのではないか」 しかし獣医は断言する。虎は何もしていない、と。 やがて動物園は閉園し、事件は未解決のまま忘れられていった。だが19年後、跡地の造成工事中に、古い増築舎の基礎の下から身元不明の人骨が見つかる。 それは、郡山ではなかった。 では、土の下に眠っていた男は誰なのか。なぜ郡山は長靴を揃えて姿を消したのか。 一人の元巡査が、19年前に書き残した疑問を手に、動物園に沈んだもう一つの失踪事件を追い始める。
丘の上の手帳
北アルプスの0.5秒

北アルプスの0.5秒

2024年、東京都足立区の古いアパートで、1台のビデオカメラが見つかった。 持ち主は孤独死した60代の男。クローゼットの奥に隠されていた登山リュックの中から出てきたそのカメラには、15年前の北アルプスで撮影された映像が残されていた。 日付は2009年10月24日。 その日、資産家社長・坂本竜三の愛人だった伊藤桜は、登山中に突然姿を消した。直前に坂本と激しく口論し、森へ逃げ込んだ彼女を坂本が追いかけたため、誰もが「犯人は坂本だ」と信じていた。 しかし、遺体も物証も見つからず、事件は未解決のまま15年が過ぎる。 そして発見された映像には、誰も知らなかった桜の本当の顔が映っていた。 彼女は誰かと電話をしていた。坂本を騙し、財産を奪う計画を語りながら、さらに別の裏切りまで口にしていたのだ。 次の瞬間、カメラは激しく揺れ、悲鳴とともに崖下へ落ちていく。 最後に映ったのは、崖の上に立つ一人の男の影。 15年間、無実の男を犯人にし続けた事件の真相が、わずか0.5秒の映像から動き出す――。
山影しおり
止まったカードと空の家

止まったカードと空の家

夫の正文が「会社の旅行」と言って家を出た朝、私はすべてを知っていた。 行き先で待っているのは会社の同僚ではなく、高校時代からの親友・美津。しかも夫は、私名義のクレジットカードを勝手に使い、親友との食事や買い物にまで手を出していた。 泣いて問い詰めることはしなかった。証拠はすでにそろっている。娘も、父親の異変に気づいていた。 「引っ越すよ」 夫が浮気旅行を楽しんでいる間に、私は娘と新しい家へ向かった。そして夫のカードを止め、彼の荷物を“ある場所”へ送りつける。 旅行先で支払いができなくなった夫。荷物を受け取った親友の家。そして、空っぽの部屋へ戻ることになる裏切り者。 夫と親友を同時に失った私が、娘と本当の人生を取り戻すまでの物語。
舞の新居ノート