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今回は、探さない

今回は、探さない

夕暮れの換気扇 完結 0

突然のリストラで職を失った夫は、出版業界で顔の広い私に「仕事を紹介してくれ」と当然のように求めてきた。十八年間、夫の躓きを先回りして解決してきた私は、初めてその手を引っ込める。三ヶ月で底をつく貯金、娘の留学辞退、再就職の全滅。元課長のプライドを砕かれ、二十歳の青年に怒鳴られながら泥まみれで働く夫を前に、私の手元には元同僚から持ちかけられた「年収七百五十万の優良求人」があった。手を差し伸べれば元通りの生活に戻れる。だが、それを差し出せない理由が私の中にもあった。

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