七年前に他界した母の退院を知らせる電話が病院から届いた。駆けつけた病室にいたのは全く見知らぬ七十七歳の老人。だが彼女は私を見るなり「まだ椎茸嫌い?」と幼い頃の癖を言い当て、身元引受人欄には母の几帳面な直筆文字が残されていた。行政の登録ミスだと判明するも、老人は「和枝さんが迎えに来る」と退院を拒絶する。さらに兄から、母が生前「生け花教室」と嘘をついて毎週火曜日にこの老人のアパートへ通っていたと知らされ――。
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