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妻を殴った外交官と2億円の空売り

妻を殴った外交官と2億円の空売り

佳澄 完結 171

「外交官の妻として、少しは自覚を持て」――夫・直人は、自宅で私のパジャマを着ていた初恋の女性・彩佳をかばい、私・美咲の頬を平手打ちした。さらに離婚を告げると、「お前の実家を救ったのは佐伯家だ」と二億円の援助まで持ち出し、私が一人では生きられないと思い込んでいた。私は指輪を置き、暴力の証拠を残して静かに家を出る。彼らが知らなかったのは、私が元日本銀行の国際金融専門家で、すでに国際通貨基金ワシントン本部の上級エコノミストとして採用されていたこと。やがて直人は、自分の仕事を陰で支えていた妻の経歴を知り愕然とする。一方、私が海外から調べ始めたのは、三年前に実家の会社が突然資金難へ陥り、その直後に佐伯家が“救済者”として現れた不自然な経緯だった。夫婦になる前から始まっていたある計画の痕跡が、少しずつ浮かび上がってくる――。

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