"妻を殴った外交官と2億円の空売り" 第18話
彼女の沈黙を、直は従順だとい込んでいた。
実際は、期待が完全に失われた音だった。
翌、務省は直を経済案件からし、職処分とした。
国公務員倫理法の、な利益相反性のい報の適切な取り扱いが認定された。
刑事責任については、捜査が続くことになった。
記者が省のに集まり、ニュースでは『名交官の透取引』ときく報じられた。
子はショックで体調を崩し、理奈の財団も寄付の流により活止となった。
父は、責任を取って会職を辞任した。
佐伯が必に守ろうとした体面は、内側の腐敗によって完全に崩れった。
直は美咲へ、通だけメールを送った。
『申し訳なかった。婚協議に署名します。返事はいりません』
送信してから、直は何度も受信箱をいて確認した。
返事はなかった。
それが、美咲の確な答えだった。
職処分の公表、直は記者会見をくよう求められた。
弁護士は『調査なので回答を控える』で通すよう助言したが、直はい声を自分でいた。
フラッシュを浴びながら、直は原稿を読んだ。
「職務り得た報と、族の利益との境界を守れなかったこと。また、庭内で妻に暴力を振るったことについて、すべての責任は私にあります」
ニュースを見た父は激した。
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「庭のことまで公ので認めれば、刑事事件にされるぞ!」
直は静かに答えた。
「事実です」
父は直を睨みつけた。
「美咲に脅されたのか?」
直は首を振った。
「違う。彼女は俺に、度も認めろと言っていない」
直は父の目を見た。
「だからこそ、認める必があったんです」
会見で、記者から『妻へ謝罪し、復縁を望むか』と聞かれた。
直はしを置いた。
「謝罪はします」
直はマイクに向かって言った。
「ただ、許しや復縁を求めること自体が、相にしい負担を与えると理解しています」
以の直なら、世向けの美しい答えとして、同じ言葉をただ使ったかもしれない。
今は、そのを本当の痛みとしてっていた。
声が報じられると、彩佳からいメッセージが届いた。
『私だけが悪者にされている。先輩も美咲さんに満があったはず。私たちはしっていたでしょう』
直は文だけ返信した。
『自分の選択の責任を、に渡すのはやめろ』
それは彩佳への言葉であり、同に自分への言葉でもあった。
、直は庭内暴力に関する加害者更プログラムへ自ら申し込んだ。
最初の面談で、直は『度しか殴っていない』と説した。
担当者は静かに聞いた、直を見た。
「をげた回数だけが、暴力ではありません」
担当者は言葉を区切った。
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「相の仕事を否定する。経済力を理由に選択肢を奪う。族全員で孤させる」
担当者は直に問いかけた。
「それらをどう考えますか?」
直は、答えるまでにいがかかった。
自分は暴力な男ではないと、本気でっていた。
しかし、美咲のを狭める言葉を、常に使い続けていた。
度の平打ちは、突然起きた例ではなかったのだ。
見えない形で続けていた支配が、最にの形になっただけだった。
その認識は、職処分の通よりも直にとってかった。
美咲から返事がなくても、直はプログラムへ通い続けた。
自分が変わったことを証して、彼女に戻ってきてもらうためではない。
次に誰かと関わる、絶対に同じ傷を作らないために。
婚続きは、本の弁護士を通じて粛々とめられた。
直は財産分与について、切争わなかった。
むしろ、美咲が受け取る権利のある共財産を、正確に計算し理するよう指示した。
美咲は佐伯の関連資産を切受け取らず、自分が結婚に保していた預と、結婚の正当な収入から形成された部分だけを受け取った。
婚届が正式に受理され、戸籍の姓がへ戻った。
美咲はワシントンのオフィスにいた。
本の弁護士から『本、正式に続きが完しました』とメールが届いた。
美咲はパソコンの画面をしばらく見つめた、静かに閉じた。
涙はなかった。
代わりに、肩にかかっていた見えないい布が、枚落ちたような覚があった。