婚約者の厄を3年も引き受けてきた相原直樹は、ある晩、寝室を明け渡して出ていけと言われる。手切れ金代わりに渡されたのは、土地だけで約2億円の値がついた幽霊屋敷だった。 霧の夜、屋敷の離れで見つけたのは、腹をすかせて座卓の脚をかじる悪霊・朔。直樹は焼きなすを差し出し、朔を番頭に雇って夜の肝試しを始める。食べ物を粗末にする客には容赦ないくせに、直樹が作った目玉焼きは、黙って半分返してくる。そんな朔と暮らすうち、屋敷に少しずつ客が集まる。 そこへ元婚約者が現れ、「封印が解けたら、お前が真っ先に食われる」と告げる。笑い飛ばした直樹だったが、その夜、朔が初めて自分から封印のことを話し始める。