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"2億円の幽霊屋敷で、腹ぺこの悪霊を雇いました" 第5話

俺がをったって?

誠司が来たのは、2回目の営業が終わるしだった。見覚えのある濃いのコートでをくぐり、板も見ずにれの具に目をやった。

「直。何をにしたか分かってるのか」

焼き台のそばで斗が友達と串を待っていた。携帯がこちらを向いたので、に入り、焼き台を撮ってもらった。

「久世さん。ご予約は入ってませんけど」

「本当に商売を始めたのか。から分かるくらい瘴気がてる。を取って客を入れて、何かあったら誰が責任を取る?」

「僕が責任を取ります。もう僕のですから。管が破れたときも、自分で業者を呼んで修理代を払いました。今はその代をしに来てくれたんですか?」

誠司は答えなかった。ろから怜がてきて、僕の鍵に目を留めた。

「相原さん、誠司に腹がつのは分かります。でも、をうようなものを言い聞かせても無駄です。今のうちに、お客さんを帰してください」

「誰をったって?」

振り返ると、朔が串を何本も持って段をりてきた。焼きのいい1本を僕に差しし、僕がひとかじるのを待って、怜のほうを見た。

「俺がったやつの名、言ってみろ」

「どうしてあの部からられるんだ」

「戸がいたからだ。なあ、塩辛くないか。元がちょっと狂った」

「うん、ちょっと塩がきつい。

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残りはお客さんに持っていって。待ってるから」

朔は本当に串を届けにいった。誠司は背を睨んだ。

「餌をやったくらいで言うことを聞くとうな。あんなものを飼うなんて、どうかしてる」

「頼んだことはやる、文句も言わない。僕のこと、そう言ってましたよね。うちの番だって、頼んだ串をちゃんと焼いてくれますよ。何か問題でも?」

斗の友達が肩をすくめて笑いをこらえ、コートの男は特別公演の役者かと声で聞いた。斗は「別れた男の役じゃない? 嫌がうまい」と答えた。

誠司がコートの内ポケットにを入れる。怜がその首を押さえた。「まだ客がいる」と聞こえた。誠司はをし、帰りがけに僕の横でを止めた。

「あれがおのそばにいるのは、おを利用できるからだ。封印が解けたら、おが真っ先にわれるぞ」

僕は客のところへ戻り、残った串を持ち帰れるように包んだ。朔はテーブルに寄りかかっていて、ので串が1本、半分に折れていた。言い返さないなんて珍しいと言うと、焼きたてのほうがうまいから忙しかった、と答えた。

午1く、庭のかりを消してから気づいた。朔は閉、事に来ていない。焼き台の脇には、えきったきのこの串がつかずで残っていた。

台所の戸を押すと、茶碗の縁が机に当たる音がした。

朔は机にすがるようにして背を丸めていた。袖の先まで青黒い痕がのぞき、片が震えている。元には折れた串が何本もあった。名を呼ぶと、まず腕を袖に隠し、しばらくしてようやく顔をげた。

「久世が言ったことで、ひとつだけ当たってる」

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