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"2億円の幽霊屋敷で、腹ぺこの悪霊を雇いました" 第12話

陣が切れた

の廊から見ていた。誠司もこちらにがり、印を握ったがひどく震えていた。怜が支えようとすると、そのを振り払った。

れからを引きずる音がした。朔が最初にかじっていた座卓だ。傾くからにレンガをかませ、ができたら2分の料理を並べられるものに替えると言っていた。今、その座卓を敷居へ引いている。最のひと引きはかった。

具がねがった。初めてけたときにも見えた赤い筋が、今度は全部むきしになった。端は庭の敷の、反対はれの内側だ。引かれて具が斜めになった。

誠司が印を押し直そうとした。配の祓いが歩て、卓へ戻るをふさいだ。

「みんなここまでがりました。あのは追わないし、誰にも触れてない。今度は誰に見せるつもりです?」

座卓の板が戸板を押し、閉じていた戸にすきができた。朔が片膝をつき、座卓で戸を押さえて両で赤い線を引いた。しずつ繰るうち、庭の敷が浮き、湿ったから線を留めたの釘がのぞいた。線が度張りつめ、朔が息を吸った。

古い弦が面のではじけたような音が裏まで来た。軒のが斉に落ち、が引いた。庭の端に、僕が洗った段が見えた。

戸がいた。朔は片を戸につき、もう片方に黒く焦げた線を持っていた。

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袖は裂け、首の痕がくなっていた。

「怪は?」

「ない。朔は?」

自分も聞かれるとはわなかったように、を見ろした。「さっきより楽だ」

柵をつかんでいた指をほどくと痛んだ。朔はさっきまで赤かった継ぎ目を越え、僕の隣で掌をいた。首はまだたかった。今度は触れられた。

まだ夜けじゃないと誠司が言った。署名のをし、じゃあを閉めずに待とうと答えた。朔がをつけ直し、残った皆に麺をゆでた。誠司の椀は卓の隅でめていった。

空がみかけたころ、配の祓いにうながされ、怜が夜の証言を繰り返した。彼女は受付帳を僕に返した。晩見たが番が誰かを傷つけたことはなかった、ここがを襲う敷だとまだ言うなら、今夜、誰が先にをしたかまで話すように、と言った。

誠司は僕の顔をいこと見たあと、印を箱へしまった。

「……この敷で商売しても問題ない。約束どおり、もう来ない」

へ向かう背を見送らず、隅の椀を鍋で温め直し、卵を落とした。さっきにした分じゃないのか、と朔が聞いた。

「をつけてないんだから、僕がべてもいいでしょ。半分いる?」

朔は台所から箸を膳持ってきた。「べる」

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