"2億円の幽霊屋敷で、腹ぺこの悪霊を雇いました" 第8話
晩だけの賭け
「夜10から夜けまで。朔が暴れて誰かを傷つけたら、敷は返します。僕もそちらに戻る。無事に朝を迎えたら、ち会う祓いの皆さんので、この敷をけておいても問題ないと認めてください。次からは客ので営業の邪魔をしないと、今ここで約束してください」
誠司はいこと僕を見た。
「むところもも、あれに賭けるのか」
「晩待つだけで、査定2億円のが戻るかもしれないんですよ。断ります?」
誠司がペンを取った。を突き破りそうな圧で署名し、怜も会の欄に名をいた。最のを指さし、誰かが先に悪霊にをしたらどうなるのかと、怜が聞いた。
「条件は朔がを忘れてを傷つけることです。先にをしたのが誰かは、そので分かるでしょう」
誠司がペンを置いてていった。怜は面を僕の湯みのに挟んでから追った。
台所でねぎの皮をむいていた朔は、話を聞くとねぎをつに折った。
「あいつ、本気で俺が暴れるとってるのか」
「の気がいちばんくなるって」
「そりゃいよ。で俺がいちばん力をせる夜だからな」朔はこらえきれずに笑った。「昔話の半しか聞いてなかったんじゃないか。力がるのは俺。眠れなくなるのは、幽霊が怖いやつだ」
をんで、ようやく喉が乾いていたことに気づいた。
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朔の笑みが消えた。
「それもらずに敷を賭けたのか」
「この、が濃くても客を送っていったのはってる」
「あのかばんには鍵があった。なくしたら帰れないだろ」
「だから賭けた」
朔は折れたねぎを器に入れたままを止めた。その晩なら封印も壊せるかと聞くと、れの敷居へ連れていかれた。言われたとおり鍵を回すと戸はいた。具のの赤い筋は切れなかった。
「あのおがけたのは戸だ。陣はまだ敷のに隠れてる。から術をかけて締め直すと、力がこの線に集まる。そのときなら、どこで留まってるか分かる」
「締め直されたら、朔も耐えないといけない」
「だから、その晩を選ぶ。ほかのならってもいられない」
言い方は軽いが、は袖を押さえていた。敷居から庭への継ぎ目を目で追うと、真んに1枚だけの濃い敷がある。誠司が会ので術を使うかは分からない。まず当の線をにこうとちがった。
「直。久世がおとなしく朝まで待てば、おの勝ちだ。陣は別のに考えてもいい」
「また痛くなったら、台所で串を何本折るつもり?」
柱にもたれた朔は、し置いてから言った。
「おが何本買い置きしてるかによるな」