"2億円の幽霊屋敷で、腹ぺこの悪霊を雇いました" 第7話
また世話を頼みたい
写真には駅の分譲マンションのが写っていた。広いリビングの隅に、細いベッドが1台置いてある。誠司の会社も、怜の通う病院も、そこからなら歩いてけた。
「わざわざ物件を見せに来たんですか」
「はどうした?」
昨夜、く握っていたせいで指先がまだい。ポケットに入れ、続きを待った。
「怜がこのところ眠れない。みたいに、具が悪いときはそばについててやってくれ。おなら慣れてるだろ。報酬はの倍す。俺に会いたくなければ、そっちにめばいい」
は1分、今度は2分。倍と言われて、なるほど、と瞬だけった。3、朝までに薬さえそろっていれば、昼に僕が自分の用事を済ませる余力があるかなんて、聞かれたことはなかった。
遅れて怜も来た。このところ敷で何か起こるを見て、僕ひとりでは配だと言う。のれから米袋を2つ担いできた朔が、「ひとり」のところで振り向いた。何も言わず台所へ運んだ。
「来週、の夜がいちばん厄介だ。あのにの気が集まる」誠司が言った。「今はみたいなふりができても、その夜になればおの顔だって分からなくなる」
昨夜はにいがるほどが濃かった。子にかばんを忘れた斗の友達を、朔は提灯を持って最の灯まで送り、僕にその先を頼んだ。
のはが分かりにくいから、もう度来させるのは悪い、と。朔が痛みでてなくなったのは、誠司がポケットにを入れたあとだった。
受付のベルが鳴った。客が翌週の券を取りに来て、友達の分も頼めるかと聞く。空きを確認し、2分の2,000円を受け取り、10分までに来るよう伝えた。誠司はすぐ横にいた。なら話を断して彼を優先したが、今は予約控えを2分して、客に渡してから振り向いた。
「この、続けるつもりなのか」
「始めたばかりですから」
「あれがを襲ってからじゃ、おにはどうにもできないぞ」
マンションの写真を押し返した。
「そこまで自信があるなら、賭けませんか。あなたの言う、その晩で」
台所から包丁の音がした。打打、いつもどおりだった。
「どう賭ける」と、ようやく誠司が言った。