"2億円の幽霊屋敷で、腹ぺこの悪霊を雇いました" 第6話
うなら朝飯を作ってから
「おがくにいると、封印が疼いても楽になる。初めて敷居をまたいだとき、支えてくれただろ。あのとき分かった」
朔はテーブルからをした。僕がざかるのを待つようながあった。あの晩、いったん僕に体を預けたあと、何もなかったようにったのをいした。寒い台所で、僕の息だけがかった。
「いつもこんなに痛むの?」
「軽いもある。から封印をいじられると、ひどくなる」朔は袖をまくり、痕をさらした。「直。俺は悪霊だぞ。良なんてない。こんな陣、破ったらおを骨までってやる」
子を引き寄せて腰をろした。「骨のことはてるようになってから。、貸して」
差しした掌を見ていた朔が、ようやく首を載せた。井戸の縁のみたいにたい。僕の指からへえが広がるにつれ、朔の肩から力が抜け、やっと腰を落ち着けた。
「あと、べるならの朝飯を作ってから。トーストは焦がさないで」
「……分かった。目玉焼きは?」
「2つ。もう1つは朔の分」
痛むのかとって顔をのぞくと、笑っていた。2くまで台所にいて、がくようになったころ、きのこの串を温め直した。朔はべてから、どうしてを握ればいいとっていたのか聞いた。確信はなかったが、誠司の厄がた夜も、これくらいくに座っていたと答えた。
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「おは? こんなにたくなるのに、誰かが温めてくれたか」
「だったからね。そこまでは勘定に入れてなかった」
朔が湯をついで、底にを添えたまま差しした。僕の指に触れるといったん止まり、初に貸したマフラーを取って、僕の首に器用に巻きした。かすかに煙の匂いがした。
僕を利用する理由があると、なぜ誠司は言い切れたのか。久世のが昔、あの鍵で何をしに来たのか尋ねた。朔はが敷居を調べに来たことと、痛いときはの具に赤い筋が本増えたことだけ覚えていた。も顔も曖昧だと言い、自分の胸にをやった。その胸から音がするのを聞いたことは度もない。
朝、パンの焼ける匂いで目が覚めた。朔は先に焦がした2枚を自分の皿にねていた。僕の皿にはちょうどいい焼きのトーストと、形のいい目玉焼きが載っている。
ひとかじったところで、客が来てる、と庭を指された。皿を持ってると、しい受付台のに誠司がち、マンションの写真をにしていた。
「戻ってこないか。その敷が嫌なら、別の部を用する」