勤続28年の会社を無断で辞めた夜、妻に罵倒される覚悟だった。だが妻は怒りもせず、机の上に別の『退職願』を滑らせてきた。「私も来月末で辞めるわ。あなたが辞めてよくて、なぜ私はだめなの?」住宅ローンは残り7年、通帳の残高はわずか240万。お互いに「家族のために犠牲になってきた」と過去をぶつけ合う中、大学1年の息子が教務課の受付印が押された『休学願』を机に叩きつける。雇用が切れるまであと6週間。逃げ場を失った家族の、痛切な現実が動き出す。
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