"あなただけ辞めていいわけないでしょ" 第13話
破られた休学願
ダイニングテーブルのに、たい沈黙が落ちていた。
万から滴り落ちた黒いインクが、群馬のの『入社承諾』のい余に、さな染みを作っていた。
私の肩に置かれた翔太のは、さく震えていた。だが、その掌のみは、私が背負い込んできたどんな圧よりも、く私の体を現実に縫い止めていた。
「父さん」
翔太が、もう度呼んだ。
「俺さ、の、父さんが毎どんな顔して帰ってくるか見てたよ」
息子は私の横の子を引き、腰をろした。
「夜のに帰ってきて、ネクタイも解かないでソファで倒れて。曜は夕方までのように眠って、曜の夜にはもう胃薬を探してて。……そんな父さんを見て育って、俺、になるのがずっと怖かったんだ」
私は顔をげられなかった。
「族を養うって、そういうことだとってた。誰かがにそうになりながらして、族全員を無理やりわせるのが『父親』なんだって。……でも、違んだろ? そんなの、ただの呪いじゃないか」
翔太は自分のジーンズのポケットから、つ折りにされたを取りした。
学の学支援課で配られている、本学支援構(JASSO)の奨学案内だった。
「これ、今の続きで第種と第種、両方申請してきた。無利子の枠が通れば万、通らなくても利子で万借りられる。
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来の学期からは、これで授業料の半分以を自分で賄える」
「翔太、お……」
由美が息を呑んだ。
「社会になった瞬から、数百万円の借を背負うことになるのよ? そんなの――」
「俺のの借だよ」
翔太はきっぱりと言い切った。その差しは、歳の青のものではなく、自分のでを踏みしめようとするののものだった。
「俺が学で勉して、将来稼ぐための投資だろ。それを全部、父さんが命を削って先払いしなきゃいけない理由なんてどこにもない。平の夕方と、学の図館の理と塾のチューターのバイトに入れば、万は稼げる。自分の定期代と教科代は、自分で払う」
翔太はテーブルの央にを伸ばした。
あの朱肉の捺された『休学願』を取りげると、両でしっかりと端を掴んだ。
ビリ、と乾いた音がリビングに響いた。
つに裂かれたが、もう度ねられ、さらにつに引き裂かれた。
「俺は学を辞めない。ちゃんとで卒業して就職する。だから父さんも、度とあんな所に戻らないでくれ」
引き裂かれた休学願の破片が、テーブルのにパラパラと散らばった。
由美が、その破片をそっとでかき集めた。
そして、私の目のにあった『入社承諾』を指先でつまみげると、躊躇なく、縦に真っつに破いた。
「由美……!」
「断りましょう、雅さん」
由美は破れた屑をゴミ箱へ放り込み、私を見つめて言った。
「片半の獄にって、残業して、臓を止めるような真似は絶対にさせない。……私たち、やり直すのよ。このの暮らしのサイズを、最初から全部やり直すの」
私は破られた類の残骸を見つめた。
胸の奥のい鉄の扉が、ゆっくりと、音をてていていくような気がした。