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二十八年の遺言、追放された妻

二十八年の遺言、追放された妻

槙野 遙 完結 8

「この家、息子夫婦に譲るから」――三十年連れ添った夫は、夕食の途中に事も無げに言い放った。 私を排除し、息子夫婦と結託して家を奪おうとする夫。だが傲慢な家族はまだ知らなかった。評価額六千五百万円の土地建物は、二十八年前から「私の単独名義」だということを。 逆上した夫は実印と委任状を偽造し、勝手に四千万円での売却仮契約を結ぶ暴挙に出る。だが司法書士が暴いたのは、義父が遺した覚書だけではなかった。夫が隠し持つ三千万円の債務、そして借入先に見覚えのある「息子の名義」。 「三十年間、私と一度でもまともに話し合ったことがあったかしら?」 冷たい月明かりの下、私は最後の清算を誓った――。

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