七年前に失踪した夫が、地方ニュースの画面に映っていた。だが隣の女性は「十二年前に失明した私の夫です」と告げる。七年前に息子の送迎をしていた夫が、十二年前から全盲のはずがない。狂乱のまま病室へ向かった私を待っていたのは、同じ顔を持つ盲目の男と、就活中の息子の告白だった。「三年前から知ってた。……父さんを消したのは俺だ」。七年前の失踪と、十二年前の失明。二つの嘘が重なる時、母子は家族を呑み込んだ悪夢と対峙する。
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