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"7年前に失踪した夫は、12年前から目が見えない" 第10話

万がのは弁護士に渡してくれ』とかれていた。

封を破ると、から何枚もの振込票のコピーと、きの調査メモが滑りた。

、修司の交通事故に対して損害保険会社から支払われた度遺障害の賠償、千百万円。 そのうちの千万円が、藤原誠が実質に支配する医療コンサルティング会社の座へ、「特別リハビリ信託」という架空の名目で送されていた記録。 そして、直が独自にを使って集めた、関係者の証言録と座の流れ。

最の枚は、失踪当の朝にかれた直のだった。

『修司。藤原から連絡があった。悠真を巻き込んだ事故の映像を握られている。 警察へくに、奴は原本のデータと引き換えに、俺が調べた横領の証拠すべてを倉庫へ持ってこいと言ってきた。 原本はここへ置いていく。俺は偽のデータを渡して、悠真の画を目ので消させる。 もし俺が今夜戻らなければ、この封筒を県警の捜査課へ持ち込んでくれ。 美智子と悠真を、どうか頼む』

涙が、止まらなかった。 のにポタポタと落ちて、夫の跡を滲ませていく。

直は最初から、罠だと分かっていたのだ。 それでも、息子の未来を守るために、たったで乗り込んでいった。 そして、悪魔に証拠を渡すことを最期まで拒み、命を奪われた。

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翌朝、私たちは神奈川県警察本部へすべての証拠を提した。 悠真は取調で、にわたる詳細な供述を作成した。 歳のの来事、の脅迫、届いた画のすべてを、言の偽りもなく警察官に語り尽くした。

捜査本部のきは、そこからだった。

直が残した座記録を元に、県警の捜査課が藤原の関連会社へ宅捜索に入った。 そして、捜査課の犯係が決定な事実を突き止めた。

、悠真が直を尾し、佐々健を突き落としたあの。 藤原が佐々の個座へ作資の万円を振り込んだは、悠真が現に現れる『』だった。

悠真が偶発に父親を尾するから、藤原はすでに佐々を雇い、直を脅迫するための台をセッティングしていたのだ。 「悠真が突きばしたから事件が起きた」のではない。 悠真が通りかかろうと通りかかるまいと、直は最初からその所で襲われ、脅迫される運命だった。

息子は加害者などではなかった。 ただ、父親を屈させるための『質』として、卑劣な罠に放り込まれただけだった。

「悠真さんの為は、突発に腕を掴まれたことに対する反射な防為であり、相の怪も軽微。事件性はありません」

取調をてきた刑事が、悠真の肩を叩いてそう告げた。

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悠真はそのに崩れ落ち、声をげて泣いた。 、この子の胸を縛り続けていた錆びた鎖が、音をてて砕け散った瞬だった。

週けの曜。 藤原誠が理事を務める医療法の本部ビル。 臨理事会がかれる直の会議に、神奈川県警の捜査員たちが踏み込んだ。

テレビのニュース速報のテロップが流れたのは、そのの昼過ぎだった。

『横浜・倉庫遺体事件 医療法理事・藤原誠容疑者(55)を殺および体遺棄の疑いで逮捕』

画面に映しされた藤原は、両脇を刑事に固められ、青ざめた顔で報陣のフラッシュを浴びていた。 あの廊で見せた傲な笑いは、どこにも残っていなかった。 社会位も、築きげた名声も、すべてが崩れった男の無様な姿だった。

ヶ。 悠真のスマートフォンに、内定先だった専商社から通の通が届いた。 ネットの憶測や警察汰を理由とする、内定の正式な取り消し通だった。

画面を見つめる悠真の横顔を、私は息を詰めて見守った。

悠真はゆっくりとスマホをテーブルに置くと、私を見て、ふっと穏やかに笑った。

「また、スーツ着て就活やり直すよ。今度は、胸を張って面接にけるから」

その笑顔を見た瞬、の苦しみがすべて報われたような気がした。

がまり、たいのる。 私たちは、横浜内の古びた寺で、遅れの葬儀を執りった。

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