"7年前に失踪した夫は、12年前から目が見えない" 第5話
という字架を背負ったまま、に通い、学受験を乗り越え、就職活をしてきたというのか。
だが、私のの片隅で、徹な違が急速に膨らんでいた。
もしそうなら、なぜなのか。 なぜ今、あの病院に悠真が現れたのか。
「悠真、顔をげなさい」
息子の震える肩を掴み、無理やり線をわせさせた。
「、修司さんに会ったって言ったわね。どうしてあのの居所が分かったの? どうして今まで私に言わなかったの?」
悠真は涙でぐしゃぐしゃになった顔で、割れたスマートフォンの再ボタンを押した。
「……歳になるに、自首しようとったんだ。もう耐えられなくて。警察にくに、父さんの部の古い帳に残ってた『鶴見・宮本』っていうメモを頼りに、修司伯父さんのを探し当てた」
そこで悠真は、失した修司から通の便箋を見せられたという。 に直が失踪した直、修司の元に届いた速達。
『妻と悠真には絶対に接触するな。関わればあいつらまで消される』
直の跡だった。 修司もまた、弟に何が起きたのか分からず、ただ恐怖のでその言いつけを守り続けていた。
「伯父さんに会って、父さんがまだどこかで逃げ続けてるのかもしれないってって……俺、に帰って、母さんに全部打ちけようとしたんだ。
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でも――」
悠真の指が、スマホの画面を私に向けた。
「次のの朝、この画が届いたんだ」
画面に、粗い画質の監カメラ映像が流れた。
アパートの階あたりから、斜めに見ろすような所アングル。 裏で揉みう直と男。 物からびしてきた歳の悠真。 男の胸を突きばし、男が階段の角にを打して血だまりを作る瞬。
悠真の顔が、驚くほど鮮にアップで記録されていた。
そして、画のに添えられたいテキストメッセージ。
『母親に、息子が殺しだとらせてやろうか?』
添付されていたのは、画だけではなかった。 私が当勤めていたスーパーのシフト表の写真。 夜、パート帰りに灯のない夜をで歩く私の背の写真。
すべて、盗撮だった。
喉の奥がカラカラに渇いた。 背筋を、氷が伝い落ちていく。
「誰かが、母さんをずっと見てたんだ」
悠真の歯が、ガチガチと音をてて鳴っていた。
「俺がをいたら、母さんが殺されるとった。だから、言えなかった……伯父さんにも、度と母さんをづけないって約束させられた。母さんを守るには、黙っているしかなかったんだよ……!」
画がループし、男が倒れる面が何度も再される。
私は画面を凝した。 目を凝らし、何度も、何度も見返した。
……おかしい。
何かが、決定に狂っている。
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「悠真。この画、誰が撮ったの?」
「え……?」
「偶然の喧嘩じゃないわ。見て。このカメラ、アパートの階のベランダのすりに固定されてる。喧嘩が始まるから、ずっと同じ画角で回ってるじゃない」
通がスマホで慌てて撮ったようなブレは切ない。 初めから、直と男が揉みうことを見越して設置されていた定点カメラの映像だ。
それに、悠真が修司に会いにった『翌』に、なぜこの脅迫が届いたのか。 の画を保管し、修司の周辺を監し、私の職と帰宅ルートを完璧に把握している。
これは、突発な事故じゃない。
「あの男は、本当にんだの?」
私の問いに、悠真は目を黒させた。
「え……だって、あんなに血がて……」
「確かめるわよ」
私はちがった。 の震えは、すでに止まっていた。 恐怖を、ドス黒いりが塗りつぶしていた。
、私たち母子を獄に縛り付けてきたものの正体を、引きずりさなければならない。
翌朝、私は横浜消防局の防災庁舎へ向かった。 のあの、直が発信した通話記録のと、鶴見区の現所。 民がの救急記録を閲覧することは個報保護の壁に阻まれる。 だが、「に失踪した夫の確認に関わるな掛かり」として活全課の窓を巻き込み、粘りく照会を求めた。
政の類は嘘をつかない。 、当の救急搬送記録の概が判した。
『傷病者:佐々健(当歳) 部挫創、軽症。