弟の治療を支えるため、住み込みの家政婦になった篠原さやか。勤務3日目、泣きじゃくる会長の息子を抱き上げ、母に教わった子守歌を歌う。泣き声が途切れ、使用人たちは手を止めた。そこは18か月で26人の育児担当者が去った屋敷だった。妻を亡くした会長・相馬匠は、息子を落ち着かせた彼女にさえ冷たい言葉を向ける。それでも日々の変化を書き留めるうち、親子との距離は縮まり始める。だが、待っていたのは使用人の嫉妬と、身分を理由にした侮辱、そして弟の病を利用した金銭疑惑だった。さやかは記録を手に、偽りの言葉に立ち向かう。会長が守りたいのは、息子をあやす家政婦か。それとも、さやかという一人の女性か。