"26人が去った屋敷――会長の息子は、貧しい家政婦の腕で泣きやんだ" 第5話
捨てられた事
由里はごみ箱の袋を持ちげ、底にたまったかぼちゃを見せた。柔らかく崩れた黄い塊に、さやかは瞬、言葉を失った。
「3べたって報告でしたよね。こんなに捨てておいて、よく言えますね」
「それは予備に取り分けておいたものです。私は捨てていません」
「じゃあ、誰が? 今朝の記録もなくなっていますけど」
由里がノートをくと、綴じ目にの端だけが残っていた。さやかはを伸ばしたが、由里は先にそれを文乃へ差しした。
「斗様がべるようになったと聞いていたのに、これでは確かめようがありません。都のいい報告だけしていたのではないですか」
客の戸にいた文乃が、杖をつきながら入ってきた。目を向けたのはべ物より、さやかのエプロンだった。
「事をするを雇ったはずでしょう。事な子のことまで任せるから、こうなるのよ」
言葉が、さやかの胸の同じ所へなった。採用されたの仕事、資格のない経歴、い靴。何か疑われるたびに、ここへ来るの自分に引き戻される気がした。
斗は千代と隣にいた。声を聞きつけててこないよう、さやかは器の扉をし閉めた。その元を見て、由里が笑った。
「聞かれると困ることでも?」
「きな声で話すことではないからです」
さやかは袋から目をし、由里を見た。
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「私が事を捨て、べていないのにべたと報告した。今、そうおっしゃいましたね」
「ほかにどう考えるんですか」
「では、その内容で、何をご覧になったのかいていただけますか。私も今朝したことをきます」
由里の笑みがくなった。廊から匠が入ってきたのは、そのだった。宅での打ちわせを終えたところらしく、片に閉じたパソコンを持っている。
文乃が先に説し、斗の世話からさやかをすよう求めた。匠は破れたノートと袋を順に見たあと、さやかに尋ねた。
「君の説は」
「事は美紀さんが用してくださいました。斗くんがべた分と、追加用の分があります。記録は今朝、千代さんへ送っています」
匠が由里を見ると、彼女は肩をげた。
「写真ならあとから何とでもけます。私は、捨てられている事を見つけたから申しげただけです」
さやかはスマートフォンを取りし、送信済みの画面をいた。812分の表示のに、まだ破れていないページの写真が残っている。「3、予備あり」という文字と、端にこぼしたさな茶い染みまで写っていた。
今、元にあるノートにも、その染みの続きが残っていた。
「このページは、送ったにはありました」
匠は画面を確かめ、ノートを机に置いた。文乃が何か言おうとしたが、彼は顔をげずに続けた。
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「すかどうかを決めるに、事実を確認する」
さやかはようやく息をく吸えた。信じてくださいと頼むだけなら、また言葉のいに押し切られていたかもしれない。けれど、自分が何をしたかは残してある。
千代は斗のそばに交代のスタッフが落ち着くのを待ってから、器へ来た。事を聞くと、自分の端末にも同じ写真が届いていることを確かめた。
「器の録画を、見せていただけますか」
さやかの頼みに、千代は頷いた。
「ごみ箱と配膳台は映っています。今朝の分を確認しましょう」
由里の線が、壁の消えたモニターへいた。千代はそちらを使わず、元の端末で録画覧をいた。さやかは握っていた机の端からをし、皆と緒に画面を見た。
録画ので、朝の器はまだ無だった。配膳台にはノートがあり、蔵庫の扉も閉じている。やがて廊側の扉がき、い袖が画面に入った。
そのは、まっすぐ蔵庫へ向かっていた。