"26人が去った屋敷――会長の息子は、貧しい家政婦の腕で泣きやんだ" 第12話
消された振込先
「300万円の振込先は、調査会社でした」
確認のために案内された会議で、さやかは差しされた細を見た。相馬グループを束ねる持株会社の座から、法名義の座へ支払われている。額も付も、正が見せたと同じだった。
監査役の女性は、その横に請求と契約を並べた。さやかに見せる箇所には付箋があり、関係のない個報は覆われていた。
「これは複数の役員と族の周辺を調べる契約の払いです。会社の記録と、調査会社の受領記録が致しています。この支払いを、弟さんの医療費だとする説は事実と違います」
契約の表には、役員周辺調査とあった。さやかは茶の入った盆を持ってっていたのことをいした。あの、正が署名していた類だった。
「この契約を決めた方は、どなたですか」
監査役が決裁の1か所を示した。そこにある名は、相馬正だった。調査対象にさやかを加えた指示も、彼からていた。
さやかは膝ので鞄を押さえた。自分を調べるためにも使われたが、自分の受け取ったに変えられていた。額のきさに怯え、説する言葉さえ探せなくなったあの客が、急に別の所に見えた。
「報告には、何とかれていたんでしょうか」
調査に加わった弁護士が、2つの資料を並べた。
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片方は調査会社から再提された原本で、もう片方は正が役員へ配ったものだった。
原本には病院での接触が記され、そのに、篠原さやか及び族への銭供与を裏づける事実は確認されなかった、とあった。
配られた資料では、その部分がなくなっていた。
「くするために抜粋しただけ、と言われませんか」
さやかが尋ねると、監査役は頷き、もう1枚をした。総務が保全した会社のメールだった。正が資料の作成担当者へ、受取の欄を伏せ、報告の結論部分は添付しないよう指示している。
「元の内容をったうえで、この形にするよう求めています。指示した本が、それを別の支として説しました」
さやかはの角からをした。誰かが勘違いをしただけなら、説を続ければ済むといたかった。けれど、あのへ持ち込まれるから、自分の言葉が届きにくい形にえられていたのだ。
彼女は鞄から与細と勤務の連絡をした。確認する範囲を読み、必な写しだけを渡す。病院へ来たの経緯も、休暇と着替えの受け渡しについて、刻の分かるメッセージを添えて説した。
「この座に入っていないことだけで、すべてを判断するわけではありません」
弁護士は資料を受け取りながら言った。
「問題にされた300万円は、会社側の記録でき先を確認しています。
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こちらは、あなたの説と雇用関係の確認に使わせていただきます」
さやかは頷いた。自分の暮らしを端から差しさなくても、問いに答える方法があると分かり、背に入っていた力がし抜けた。
最に、今の説のについて尋ねられた。さやかは帳を閉じず、そのまま答えた。
「私も、話をさせていただけますか。何も言わずに辞めたから認めたのだと、扱われたくありません」
監査役は、取締役会で事実を確認する際、本から説を聞くを設けられるよう調すると答えた。
数、届いた案内には、席者として篠原さやかの名があった。彼女は指定された刻を帳へ写し、与細とは別に、訂正を求める文面をえた。
当、会議ので待っていると、正が秘を連れて現れた。にした封筒の表には、会の責任に関する資料とある。さやかに気づいた彼はを止め、顔をしかめた。
「退職したまで、呼ぶ必があるのか」
返事をするに会議の扉がいた。正は封筒を持ち直し、さやかを追い越してへ入っていった。