120億円の大型契約をまとめ、帰りの新幹線に乗ったその瞬間、私・早瀬凛のもとへ届いたのは突然の懲戒解雇通知だった。旅費の水増しと不適切な接待――だが、その費用はすべて事前承認済み。契約成立を待って私を切り捨て、黒川専務の甥に手柄を横取りさせる罠だった。 しかし彼らは知らない。この契約が、私個人の技術承認と、4年かけて育てた5人の開発チームなしでは動かないことを。私は最終承認を止め、会社を去る。すると120億円案件は凍結し、縁故で据えられた後任は取引先の前で何一つ答えられず、社内では隠されていた不正まで次々と露見していく。会社から「戻ってほしい」とすがられる頃、私はすでに仲間たちと、新しい未来へ踏み出す決意を固めていた――。