"120億円の契約を取った帰りにクビになった" 第1話
120億円の契約を鞄に入れたまま、私は会社を首になった。
内はひどく静かだった。
に届くのは、幹線がレールのをるモーターのい音だけだった。
私は疲労をじながら、く座席に背を持たせかけた。
でこめかみをゆっくりと押した。
この3ヶ、私は州の町をいくつもび回ってきた。
取引先の接待に付きい、夜までホテルの部で提案を直し続けた。
本社にいる発チームとの調も、話とメールで昼夜を問わず続けてきた。
そうして、やっとのいで落とした案件だった。
私の元には、黒いビジネスバッグが置かれている。
そのには、野精の割印がはっきりと押された業務提携契約が入っていた。
契約額は、実に120億円にのぼる。
基幹システム統を依頼された、が社にとって最の受注案件だった。
今の午、私はこの契約と独占技術ライセンスの付属類を本社に持ち帰る。
そして、速やかに社内システムに登録する予定だった。
そうすれば、私とチームの成果が完全に確定する。
私もの暮れに会社が約束してくれたストックオプションを受け取れるはずだった。
その、ポケットののスマホがく震えた。
私はを伸ばし、スマホを取りした。
画面を見ると、社内システムからの斉送信メールの通だった。
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ほぼ同に、事部の相沢浩からLINEのメッセージが届いた。
私は嫌な予を覚えながら、画面をタップしてメールをいた。
件名に、私の名がはっきりと記されていた。
『瀬凛氏の懲戒解雇及び規定違反に関する処分について』
私は目を瞬かせ、画面の文字を凝した。
文面は固く、ひどくたいトーンでかれていた。
州案件の張期、旅費の増し請求があったと記載されている。
会社経費による適切な接待などの為が認められた、と。
コンプライアンスの調査により、事実と確認されたと断言されていた。
よって就業規則に基づき、本付けで懲戒解雇とする。
退職は切支しない。
また、会社として法責任を追及する権利を留保する、と締めくくられていた。
私はさく息を吐きした。
続いて、相沢からのLINEの画面をいた。
メールとほとんど同じ秒数で届いていた。
『瀬さん、メールは見ましたね』
『交通費と宿泊費の精算は、コンプライアンスで却されました』
『あなたが独断で約束した接待準は、規定をきく超えています』
『案件がまだ正式に引き渡されていない以、リスク回避のため、会社は雇用契約を終すると判断しました』
『本社に戻ったら、そのまま事部で引き継ぎをしてください』
『あなたの業務用パソコンは、隔でロックしました』
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『担当業務は私が配した任に渡してもらいます』
私は画面の文字をもう度、じっと眺めた。
わず、角ががり、たい笑いが漏れた。
旅費の増し。
適切な接待。
私は3ヶの壮会での来事をいした。
あの、久社と営業担当の黒川達也専務は、私のにち、面と向かってこう言ったのだ。
この120億を取れるなら、会社の資源は全部回す、と。
最の準でやれ、と彼らは私の背を叩いた。
張に私が提した事承認には、ならぬ黒川専務が自分で判を押している。
それが今、案件の勢が決まって、契約に判が押された途端のことだ。
帰りの幹線にいる私を狙って、解雇通を撫で斬りのように送ってきた。
相沢はたかが事部に過ぎない。
になろ盾がいなければ、型案件を取ったばかりの営業の柱を1で切れるはずがない。
黒川専務だ。
私はスマホを握りしめながら、確信した。
案件のが熟したと見て、報の差を使って私をにし、内に押し込んだのだ。
そして、自分の親戚に来がった柄を拾わせるつもりなのだ。
私が幹線のにいて、すぐには層部に掛けえないタイミングを狙ったのだ。
先に既成事実を作ってしまえば、私は泣き寝入りするしかない。
彼らはそう読んだのだろう。
私がLINEに返事をしないでいると、今度はスマホが着信を告げて鳴った。