みかん小説
本棚

"120億円の契約を取った帰りにクビになった" 第10話

彼女はため息まじりに答えた。

「サービス料の3割」

「それを案件のちげと同に流す段取りになってた」

「社、帳簿を見たまましばらく何も言わなかった」

私は目を閉じて、その景を像した。

「凛の張精算もね、元の事承認が黒川専務の机の引きしからてきたの」

「社のハンコを押してあるやつ」

私は目をけた。

「そう」

彼女はし躊躇いがちに聞いた。

「凛。あなた、全部ってたの?」

私は静かに答えた。

「らなかった」

「承認を抜いたのはあのだろうとはってたけど」

彼女はく息を吐いた。

「とにかく、の取締役会で決まるとう」

「また連絡する」

話は切れた。

翌の臨取締役会で、久社は株主たちのにかせない証拠を並べた。

取締役会は、そのですぐに決議した。

黒川は専務を解任された。

相沢は事部を解任された。

2の件は、即警察に告発された。

社内の始末を終えると、久は休みもせずに運転付きの黒塗りので、私のマンションまでやって来た。

インターホンが鳴った、私はリビングでしい会社の登記類を理しているところだった。

私はちがり、玄関のドアをけた。

そこには、久がっていた。

ひどくやつれた顔だった。

目の奥には、隠しきれない疲れとい焦りがあった。

「瀬」

久はひどく腰をくし、へりくだるような調で言った。

広告

「がらせてもらってもいいだろうか?」

私は黙って体を横に避け、久をリビングに通した。

テーブルの脇のソファに座らせ、温かい湯を杯した。

私は向かいに座り、落ち着いた声で尋ねた。

「社がわざわざお越しになるなんて。どういったご用件でしょう?」

久は私の静かな顔を見て、いため息をついた。

それから、改まった調で語り始めた。

「瀬、謝りに来た」

「黒川と相沢のことは全部調べがついた」

「あの2はを利用して君をはめたに、法に触れることまでしていた」

「今はもう警察に連れてかれて、取り調べを受けている」

久は私の目を覗き込んだ。

「会社は、君の解雇を正式に取り消した」

「社内システムで訂正の通もして、君の名誉は完全に回復した」

私はさく笑った。

テーブルのの湯呑みを持ちげ、すすった。

「社」

「名誉は自分で積みげてきたものです」

「会社から遅れて届いた通1枚でいただくものではありません」

湯呑みを置き、私は静かに続けた。

「黒川さんたちが調べを受けているのは、自業自得です」

「法律が罰するだけで、私には関係ありません」

久はを乗りすようにして、ゆっくりと言った。

「辛いいをさせたのは分かっている」

「戻ってきてくれるなら、会社は君を常副社にする」

「事業部は全部君に任せる」

広告

「君のチームは全員の料を5割げる」

「削られた賞与も全額払う」

久は必の形相だった。

「それから、俺の持ち株から2%をしてチームのストックオプションに回す」

「どうだ?」

客観に見れば、決して悪くない条件だった。

副社のポストに、株の2%。

業界でも違いなく最級の待遇だ。

私は久の顔を静かに見つめ返した。

私の気持ちは、しもかなかった。

「社」

「ありがたい条件だといます」

「でも、私たちのの問題が、ポストとおだけの話だとお考えですか?」

久は瞬、言葉に詰まった。

「瀬、商売は利益が第だ」

「は経営陣に虫がっていたが、腐ったものはもう片付いた」

「俺たちは、1からやり直せる」

私はゆっくりと首を振った。

慮はしなかった。

「1からやり直す」

私は久の目から線をさずに言った。

「社」

「黒川さんが事承認を持って判をもらいに来た、本当に何も引っかからなかったんですか?」

久の表が微かにこわばった。

「解雇のメールが全社に流れた、社はすぐには止めなかった」

「黒川さんがこの案件を引き継げるかどうか、見てみたかったからですよね」

「ついでに、社内でだんだんきくなる私の発言力を、し削っておきたかった」

私はややかに問いただした。

「違いますか?」

久の顔がわずかに変わった。

目がわずといったに、横へ逸れた。

私は言葉を続けた。

「あなた方にとって、社員が差しした仕事も忠誠も、いつでも秤にかけられて、いつでも差しせる駆け引きの札でしかないんです」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: