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義母が遺した二十年の通帳

義母が遺した二十年の通帳

夕方のやかん 完結 55

義母を見送り二十五年尽くした家で、夫と成人した二人の子供から「これからは各自でやろう」と突き放された。怒りもせず全家事を停止した十日後、荒れ果てた家で夫が私の部屋から一冊の通帳を暴き出す。そこには亡き義母から毎月三万円、二十年間にわたり振り込まれ続けた七百万円の記録があった。泥棒扱いし遺産の山分けを迫る家族の前で、私は二十年間一円も手をつけなかったその通帳を、ただ静かに夫の手から奪い返した。

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