"義母が遺した二十年の通帳" 第4話
そのすべてを、彼らは「勝に消えていくもの」だとっていたのだ。
目の曜、ついに部からの鉄槌がった。
朝の過ぎ、玄関のインターホンが激しく連打された。 パートにかける準備をしていた私が玄関をけると、そこにっていたのは、所の自治会を務める田さんだった。 普段は温なその顔が、りで真っ赤に染まっていた。
「佐藤さん! これ、どういうことですか!」
田さんが指差したの先、ゴミ集積所のには、見慣れた青いゴミ袋がつ、無残に取り残されていた。 袋の表面には、赤く太いマジックで『分別分・回収』とかれた、目つ黄の警告ステッカーが貼り付けられていた。
「ゴミの袋のに、ビールの空き缶とスプレー缶がそのまま放り込まれてるんですよ! スプレー缶なんて、穴もいてない! 清掃が災を起こしたらどうするんですか! ここにんでいて、こんな非常識なし方をするなんて信じられません!」
田さんの声は、通り全体に響き渡っていた。 ちょうど勤のために玄関からてきた浩が、その様子を見てギョッとしたようにを止めた。
「あ、いや、田さん、それは……」
「浩さん! あなたがしたんですか?! 町内のルールくらい、いい歳したなら守ってください! 所のみんなが見てますよ!」
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所の主婦たちが、巻きにこちらの様子を伺いながら、ひそひそと囁きっているのが見えた。 世体とプライドを何よりもんじる浩にとって、それはぬよりも屈辱な景だったに違いない。 浩はまで真っ赤にし、ペコペコとをげながら、悪臭を放つゴミ袋を両で抱えて庭へと引き返してきた。
田さんがりでちった、浩はゴミ袋を庭の敷に叩きつけた。
「おい、由美!!」
獣のような咆哮が、庭に響いた。
「お、見てただろ! なんでゴミの分別くらいちゃんとやっておかないんだ! 俺に恥をかかせる気か!」
私は玄関のポーチにち、え切った目で夫を見ろした。
「今朝そのゴミをしたのは、浩さんですね?」
「俺がしたのは、おがいつまでも片付けないからだろうが!」
「分別の引きは、勝の壁にずっと貼ってあります。、度も所を変えていません。読もうとしなかったのは、浩さんです」
「屁理屈を言うな! おが声『スプレー缶は別だ』と言えば済む話だろうが!」
「自分のことは自分でやる。それが私たちのルールです。のにをすなとおっしゃったのは、あなたの方です」
「この……っ!」
浩がりで震えるを振りげた。 だが、私が瞬きつせず、その目をまっすぐに見据え返すと、浩のは空で止まった。
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これまでの私なら、怯えてを縮め、涙を浮かべて「ごめんなさい」と謝っていただろう。 だが今の私のには、恐怖など欠片も残っていなかった。
ただ、かけて堆積したたい失望が、分い氷の壁となって私を守っていた。
浩は忌々しそうにをろすと、汚れたゴミ袋をで蹴ばし、逃げるように駅へとりでっていった。
そして、決定な崩壊は、目の夜に訪れた。
そのは、季節れのたいがる、ひどくえ込んだだった。 夕方、パートを終えて帰宅した私は、台所で温かいお茶を淹れていた。 居には、仕事から帰ってきた浩が、え切った体を縮こまらせて座っていた。
「寒いな……おい、く呂を沸かせ。今はえたんだ」
いつもの癖でそう命令した浩は、私がかないのを見て舌打ちし、自分で呂の湯パネルのボタンを押しにった。
ピピッ、と警告音が鳴った。
パネルの画面には、見慣れない『エラーコード・04』という数字が点滅していた。
「あ? なんだこれ……壊れたのか?」
浩がボタンを何度も乱暴に押し直す。 だが、湯器はうんともすんとも言わない。 シャワーの蛇を捻っても、てくるのは氷のようにたいだけだった。
「おい、由美! 湯器が壊れてるぞ! お湯がない! くガス会社に話して修理を呼べ!」
浩が洗面所から鳴り声をげた。 私は湯呑みを両で包みながら、静かに答えた。