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8年前の罠と、氷点下の泥まみれ

8年前の罠と、氷点下の泥まみれ

山本 蓮 完結 32

氷点下十度の極寒の建設現場。巨大建設会社の会長・五藤健二が目撃したのは、入居間近の30階建てマンションで、重いレンガの背負子を担ぎ、泥にまみれて働く一人の女性の姿だった。それは8年前、不倫の証拠を突きつけ、一文無しで家から放り出したはずの元妻・佐藤みさきだった。なぜ彼女がこんな底辺の肉体労働に? 急性白血病を患う7歳の息子の3千万円の治療費を稼ぐため、彼女は過酷な日々を耐えていた。さらに、秘書室長が持ち帰った調査ファイルには、8年前の「不倫」が実母によって仕組まれた完全な捏造だったという戦慄の真実が記されていた。我が子が白血病で命の危機に瀕する中、元妻が隠し通してきた秘密の全貌が暴かれる時、男が下す最後の決断とは――?

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