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母が残した最後の住所

母が残した最後の住所

三つ具のみそ汁 完結 26

母を亡くした14歳の俺には、頼れる人が誰もいなかった。 父は幼い頃に亡くなり、母は朝から夜まで働き続けていた。 葬儀の後、親戚にも「うちでは面倒を見られない」と断られた。 一人になった部屋で母の遺品を整理していると、古い桐の箱から一枚のメモが出てきた。 《本当に一人になった時だけ、この場所へ行きなさい》 書かれていた住所は、隣の市の山手にある大きな屋敷だった。 俺は制服のまま、片道2時間近くかけてその場所へ向かった。 石造りの門柱には、母が一度も口にしたことのない名字が刻まれていた。 帰ろうとした、その時。 重い門がゆっくり開き、黒い服の老人が現れた。 老人は俺の顔を見るなり、深く頭を下げた。 「坊っちゃま、お待ちしておりました」 母が隠していたのは、いったい何だったのか。 (続)

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