1991年10月。 埼玉県の住宅街で、5歳の少女・高橋ユイナが自宅の寝室から忽然と姿を消した。 開け放たれた窓。 侵入者の痕跡はなく、事件は迷宮入りとなる。 それから9年後。 離婚を機に荷物を整理していた母・エリコは、娘のおもちゃの録音テープを発見する。 そこには、元夫・修平の奇妙な言葉が残されていた。 「終わったら、“お姫様の部屋”においで」 さらに修平は、毎週通っていたはずの被害者家族の会にも、3週間姿を見せていなかった。 そして自宅の床下から見つかった、大量の謎の映像テープ。 すべてに書かれていたタイトルは―― 「お姫様の部屋」 9年前、ユイナは本当に外へ連れ去られたのか。 なぜ父親は嘘をつき続けていたのか。 そして、家族さえ知らなかった“もう一つの部屋”には何が隠されているのか。 母がその扉を開いた瞬間、9年間信じてきた失踪事件の真相が崩れ始める。