"9年間消えた娘と「お姫様の部屋」" 第11話
修平は無言のまま、方に話を切ったのである。
森田は忌々しげに顔をしかめ、傍らにいた部の田巡査に鋭い指示をした。
「おい、田。その被害者族の会とやらの、川という担当者にすぐに連絡を取れ。裏を取るんだ」
田巡査が敬礼し、に部をていく。
警官たちがののの部を調べる、森田は、のテープをじっと観察していた。
彼は袋をはめたでテープを本取りし、ラベルを見つめた。
「奥さん、全てに『お姫様の部』とかれていますね」
森田はエリコを振り返り、尋ねた。
「この言葉に、何か当たりは?」
エリコは首を横に振った。
「分かりません」
彼女は両腕を抱きしめ、震いしながら答えた。
「今、荷造りをしていて……娘の古いおもちゃの録音で、初めてその言葉を聞きました」
彼女の目が、過のしみで潤んでいく。
「あの子は、9に失踪したんです。たった5歳のに、あのベッドから……」
エリコの声は、いしみと恐怖で激しく震えていた。
その言葉を聞いた瞬、森田の目のが変わった。
彼は刑事としての直を働かせ、周囲にいるの警官と鋭い線を交わした。
「奥さん」
森田は極めて真剣な表でエリコに向き直った。
「このテープに何が映っているか、今すぐ確認すべきだといます」
エリコは恐怖をじながらも、ゆっくりと頷いた。
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は階のリビングルームへと移した。
エリコは震えるでテレビの源を入れ、ビデオデッキのトレイを引きした。
から持ってきたディスクの枚を、プレイヤーのに押し込む。
画面が数秒激しくちらつき、やがて粗い映像が映しされた。
最初は、ごく普通のホームビデオの景に見えた。
リビングのカーペットので、無に積み遊びをしている5歳のユイナの姿だ。
ユイナのるく無邪気な笑い声が、テレビのスピーカーから部に響き渡る。
それは、今聞いたあのカセットレコーダーと全く同じ声だった。
「……失踪するの映像です」
エリコは画面を見つめながら、ぽつりと呟いた。
「数ヶのものかもしれない……」
画面ので、撮者である修平がカメラのレンズに向かって優しく微笑んだ。
『ゆいちゃん、パパとゲームをしよう』
修平の声が響く。
『お姫様の部にって、隠れてパパを驚かせて』
ユイナは無邪気に笑った。
『うん、パパ!』
ユイナはちがり、元気よく画面のへとっていった。
タッタッタッというさな音が、階段をりていくのが聞こえる。
修平はカメラを見つめたまま、ゆっくりと数を数え始めた。
『1……2……3……』
画面を見つめるエリコは、完全に混乱していた。
「……階の階段をりたわ。の作業に向かっている……」
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彼女は信じられないいで首を振った。
「でも、あそこをお姫様の部なんて呼んだことは、度も……」
画面ので、修平が10まで数え終え、ゆっくりとちがる。
カメラは彼自の点となり、揺れながらへの階段をりてった。
暗い階段の映像が終わり、次の瞬、映像が突然切り替わった。
そこに映しされたのは、エリコが全くらない別の部だった。
壁面が毒々しいピンクに塗られ、棚には異常な数のぬいぐるみが並んでいる。
部の央には、お姫様のフリルがついたシーツが掛けられた、さな子供用のベッドが置かれていた。
エリコは、こののにこんな部があることなど、全く見たことがなかった。
ベッドのには、ユイナがちょこんと座っていた。
彼女は、5歳の子供には全く釣りいな、のいびた着を着せられている。
ユイナの表からは先ほどの笑顔が消え、ひどく困惑し、そうな顔をしてカメラを見つめていた。
『さあ、パパのためにポーズを取って』
カメラの背から、修平の甘ったるい声が響く。
その直に続いた映像を見て、エリコの全の血が文字通り凍りついた。
カメラが脚に固定されたのか、修平自がフレームのへと入ってきたのだ。
彼はユイナのすぐ隣に座り、彼女を見つめた。
そして、父親が決して子供に向けるべきではない、々しいつきで彼女の体に触れ始めたのである。
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