"9年間消えた娘と「お姫様の部屋」" 第12話
ユイナの顔に、確な恐怖と混乱のが浮かびがった。
「やめて!!」
エリコは喉が裂けるほどの声で絶叫した。
「決して!!」
その叫びを聞くよりく、森田警部補がプレイヤーの止ボタンを激しく叩いた。
画面は真っ暗になり、リビングは気な静寂に包まれた。
エリコは耐えきれずにソファーに崩れ落ち、両で顔を覆って激しい嗚咽を漏らした。
彼女が信じていた世界が、たった数秒の映像で完全に々に砕け散ったのだ。
15し、く信頼し、を共に歩んできた夫。
彼は、の皮を被った恐ろしい怪物だったのである。
「らなかった……」
エリコは泣きじゃくりながら、過呼吸のように息をんだ。
「のに、あんな部があるなんて……ああ、神様。私の赤ちゃん……」
森田はエリコのそばに静かに座り、彼女の肩にを置いた。
彼は優しく、しかし極めて切迫した声で語りかけた。
「奥さん、静になって考えてください」
森田は彼女の目を見据えた。
「娘さんは、失踪したのではありません。まだこののにいる能性は、ありませんか?」
その言葉に、エリコは弾かれたようにバッと顔をげた。
9、ただの度もその能性にはい至らなかったのだ。
「の……作業……」
エリコは震える声で呟いた。
「あそこは、常に分い鍵がかけられています」
彼女は記憶をたぐり寄せる。
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「危険な具がたくさんあるからと、修平が……彼だけが鍵を持っていて……」
その、田巡査がリビングへと勢いよく駆け寄ってきた。
「警部補! 川氏に確認が取れました!」
田は息を切らしながら報告した。
「修平は、3週から会を無断で欠席しています。今夜も来ていません!」
森田は力くちがった。
「分な根拠だ。令状を待つ暇はない。あのに突入する」
彼は背にいる部の警官たちに振り返り、鋭く命じた。
「から破壊作用の具を全て持ってこい! あのドアを破るぞ!」
警官たちが「はい!」と答え、斉にきす。
エリコはで涙を乱暴に拭い、力い瞳で森田を見つめた。
「やってください。もし……あの子が……」
エリコはそこから先、恐ろしくて言葉を続けることができなかった。
9。9ものだ。
あの子はずっと、こののの暗いに閉じ込められていたというのだろうか。
警官たちが、い鋼鉄製のバタリングラムと鉄のバールを持ってに戻ってきた。
彼らは森田の指示に従い、へと続くいドアのへと向かった。
それは、普通ののにあるドアにしては、異常なほど頑丈に作られた分い製のドアだった。
「奥さんは、全のためにろへがっていてください」
森田が片をげて指示した。
エリコは言われた通りに壁に背を押し当て、臓を激しく打ち鳴らしていた。
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ユイナはもう永に帰ってこないと、彼女はこの9、しずつ自分に言い聞かせて受け入れようとしてきた。
そのいしみと絶望の答えは、ずっと自分の元の暗にあったというのだろうか。
「いくぞ!」
森田の図と共に、の警官がバタリングラムを構えた。
「ドスン!!」
最初の撃がドアを打ち据え、壁全体が震のように揺れた。
しかし、ドアはビクともしない。
修平があの部を、からの侵入を防ぐために徹底に補していたのだ。
必以に頑丈に作られたその理由は、今なら痛いほどよく分かる。
おぞましいパズルのピースが、またつ確実に彼女ので嵌まった。
「もう回だ!」
森田が声を張りげて叫ぶ。
「ドッスン!!」
回目の烈な衝撃で、ついにドアの枠にいヒビが入った。
回目の撃で、ドアの表面の片が激しく周囲にび散る。
そして、回目の渾の撃が加えられた。
凄まじい破壊音と共に、分いドアの蝶番が完全にちぎれび、ドアが内側へと吹きんだ。
吹きんだドアの向こうには、暗へと続くたいの階段が姿を現した。
先の警官のが、壁際にある気のスイッチを見つけて押し込む。
井の蛍灯が、ジーというな音をてながらゆっくりと点灯した。
かりが照らししたのは、驚くほど頓された、完璧なの作業空だった。
森田警部補が腰から拳銃を抜き、油断なく構えながら先をっていく。
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