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完結第11話
赤ペンの死線と消えた五年間
「秀吉は死後、五年間生きていた」定期テストの答案に刻まれた血のような赤ペンの巨大な×と「よく考えましょう」の文字。理系特待生のレンは、完璧な引き算の末に十点を奪われ赤点に突き落とされた。だが放課後の職員室、四十人分の答案用紙が一夜にして金庫から忽然と姿を消す。残されていたのは『1598―1603』と刻まれた古い木製の根付と、不可解な数列の暗号。それは単なる珍解答への嘲笑ではなく、校内に隠蔽された五年前の重大な不正を告発する引き鉄だった。真相に気づいたレンは、裏返した答案用紙に震える手でペンを走らせる。「――前提条件が、最初から狂っていたんだ」真相1.7万字5 341 -
完結第27話
家計を分けた夫と、義家族の食事代72万円
「今月から金の管理は別々にしよう。お前を養うのはもううんざりだ」――夫・健二の言葉に、月収50万円の里見は笑顔で同意した。 実際には、毎週押しかける義家族9人分の食事を作り、残りまで持ち帰らせ、その食費だけで年間72万円以上を里見が負担していた。 そこで彼女は夫の望み通り、食費も家事も「各自責任」に完全変更。自分には豪華な料理を作る一方、健二は料理も生活管理も満足にできず、わずか2日で元に戻そうと言い出す。それでも里見は譲らなかった。そして3週間後、いつものように無料のご馳走と持ち帰り料理を期待して義母たちが訪れる。ところが食卓に並んでいたのは、茹でてもいない乾いたパスタだけ。 「別々に管理するんですよね?」――その一言をきっかけに、夫も義家族も、自分たちが長年当然のように受け取ってきた“妻の金と労働”の本当の価値を突きつけられることになる――。夫婦|金銭問題4.0万字5 910 -
完結第16話
「お前のために断ってやった」母の仕送りを7年捨て続けた夫
夫の出張中、実家の母から届いた荷物を受け取ると、配達員から過去に何度も「受取拒否」で返送されていたと告げられる。夫を問い詰めると「狭い家に不要だから代わりに断ってやった」と平然と言い放った。真相を確かめるため長野の実家へ向かった私が見つけたのは、送れずに溜まった母の記録と、夫が私に隠し続けていた両親への冷酷な通告だった。裡切られた|夫婦|親子関係|修羅場2.4万字5 1195 -
完結第18話
入籍三日目に渡された「毎月30万」の振込先
婚姻届を出してわずか三日、夫が差し出してきたのは「毎月三十万円を実家に振り込め」という手書きメモだった。手取り二十八万の私に「独身時代の貯金を使え」と言い放つ夫。不審に思い調べると、新居費用として預けた五十万のうち三十万が、入籍前に義母へ送金されていた。さらにその金の行方は、義弟の無謀な店計画へと繋がっていて――。夫婦の信頼が完全に崩壊したとき、私の下した決断とは。ATM扱い|金銭問題2.7万字5 3908 -
完結第18話
無職と笑う夫が盗んだ、私のデザイン
「あいつは家で適当に絵を描いてるだけ」親戚一同の前で私を見下す夫。だが、夫が昇進を狙って招いた大口取引先の部長は、提出された新商品企画書を一目見て凍りついた。「これ、奥様が公表されたデザインと完全一致しますが?」さらに夫のPCには、私が保管していた未公開の原データまで盗み出された痕跡があって——。裡切られた|夫婦2.6万字5 462 -
完結第19話
婚約破棄を告げた瞬間、義父母から謎の80万円を請求された
入籍前夜、義母から「片親育ちは常識がない」と給与の全額管理を迫られ、町工場で働く父を作業着姿ごと侮辱された結菜。庇おうともしない婚約者に見切りをつけ、その場で婚姻届を取り戻した結菜だったが、義父母は「立て替えた80万円を今すぐ返せ」と逆上する。届いた手書きの請求書を調べると、自分が支払ったはずの新居費用が勝手に組み込まれており――。家族の支配を正当化する婚約者一家に、結菜は静かな反撃を決意する。嫁姑|金銭問題2.9万字5 1934 -
完結第17話
車椅子の看板娘と一億円の代償
「半年前に男に足を切られたの」――久しぶりに訪れた創業六十年のうどん屋で、俺を迎えたのは車椅子で口を閉ざす女子高生の姿だった。部活帰りに突如包丁で切りつけられ、歩く自由を奪われた恩人の娘。警察すら犯人を挙げられず客足も途絶え、母娘は絶望の淵に追いつめられていた。だが、町を蝕む地上げの裏で、冷酷な組織が放った「ある狂気の駒」の存在が浮かび上がる。 「かず君、筋につてはないですか?」 涙で震える母の前に、俺は飲み干した丼をドンと置き、静かに立ち上がった――。因果応報|人生逆転2.5万字5 342 -
完結第7話
毎週木曜日、君が来る
在宅勤務で人と話す機会が減った34歳の直人。毎週木曜日、ヤクルトを届けに来る彼女との短い会話が、いつしか何よりの楽しみになっていた。ある雨の日、濡れた彼女にタオルを差し出すと、思いがけない言葉がこぼれる。「昔から、そういうところは変わらないね」。彼女は、22年前の同級生だった。小さな親切の記憶から、止まっていた2人の時間がゆっくり動き始める。感動1.0万字5 88 -
完結第19話
「私はいつ休めるの?」に夫は「家にいるだろ」と返した
生後三ヶ月の息子を抱え、睡眠を寸断される日々。ソファに寝転ぶ夫から返ってきたのは「お前はずっと家にいるだろ」という無神経な一言だった。「指示待ち」で手足しか動かさず、息子のワクチンすら知らない夫に、義母までもが「男は外で大変」と庇い立てする。限界を迎えた私は、春の復職を前に一通の「合意書」を突きつける。怒り|嫁姑2.8万字5 165 -
完結第17話
父親になりたくないなんて、一度も言ってない
結婚七年目、子を望まない私に夫は「二人だけで暮らそう」と微笑んだ。長年の争いが終わり、ようやく理解し合えたと泣いた私。けれどその日を境に、夫の口から将来の夢も旅行の計画も消えた。空き部屋を書斎にしたいと告げても、「好きにして」と目を伏せるだけ。不気味な平穏に怯える深夜、私は夫が親友に漏らした本音を聞いてしまう。「……父親になりたくないなんて、一度も言ってないよ」と。夫婦|修羅場2.6万字5 168 -
完結第7話
薬を飲むと、母が消える
大地震で家を失った私の前に、母は毎日現れる。けれど、薬を飲むと消えてしまう。ある日、母の救助を阻んだという男が訪ねてきた。灰色の作業着、失われた2本の指、私が握っていた青い袖。あの夜、本当は何があったのか。親子関係2.0万字5 28 -
完結第20話
「いなくても回る」と言われた私に、12件の着信
娘の急発熱で有休を申請した私に、社長の息子の嫁である副主任は「あなたがいなくても回る」と嘲笑した。だが引き継ぎを残して休んだ月曜、スマホには12件の不在着信。出社するや否や出荷ミスの責任を擦り付けられるが、操作ログに刻まれていたのは彼女自身のIDだった。都合よく責任を押し付け続けた会社に対し、八年間耐えてきた事務員が静かに下した決断とは。職場逆転|因果応報3.0万字5 809 -
完結第16話
作業着の夫を笑った同級生と、80万円の偽鑑定書
卒業50周年の同窓会で、住恵は旧友たちから「70歳まで町工場で働くなんて、貧乏な旦那さんでかわいそう」と夫・高志の仕事を笑われる。だが、その席で幹事の美恵子が「数年後には何倍にもなる」と1個80万円の漆器を勧め始めた。保証元として示されたのは、文化財を扱う「北山文化財修理工房」の鑑定書。住恵は印影の不自然さに気づき、美恵子が「責任者に直接確認した」と断言する会話を密かに録音する。友人が送金寸前となった時、住恵は契約を止め、夫へ書類の写真を送った。 やがて青い作業着姿の高志が会場に到着。胸には、まさにその工房名が刺繍されていた。実は彼こそ北山文化財修理工房の修理責任者だったのだ。高志が鑑定書を見た瞬間、「この書類を私たちの工房が発行した事実はありません」と告げる。 先ほどまで夫婦を嘲笑していた美恵子の顔から血の気が引き、80万円の漆器に隠された本当の狙いが暴かれ始める――。日常ホラー|孤獨|修羅場2.4万字5 494 -
完結第19話
ママ、弟が生まれたらママも譲るの?
妊娠七ヶ月の私が牛肉を二切れ食べただけで、「家中の肉を食べ尽くす気?」と義母は笑った。 居たたまれずに箸を置いた私を見て、六歳の娘は、大好物で最後まで大事に残していた肉を私の茶碗に乗せた。 「ママ食べて。弟にあげて」 大人はみんな「優しい子ね」と笑った。けれどその夜、娘は震える声で私に聞いたのだ。 「弟が生まれたら……私、ママのことも譲らなきゃいけないの?」嫁姑|親子関係2.8万字5 403 -
完結第17話
偽装結婚と消えた二十四の図面
「一年だけ私の夫になって」 冷たい雨の工事現場。三年前に理由も告げず僕を解雇した元上司・篠原冴子が差し出した契約書の報酬は、亡き父の遺した借金と同額の「一千八百万円」だった。 設計士の夢を奪われ、大工見習いとして泥にまみれる洋介は、借金完済のため奇妙な偽装結婚に応じる。だが、殺風景な冴子の部屋には『1』から『24』の謎のファイル。やがてかつて自分が手がけた分譲地で耐震偽装が発覚し、壁の中の「消えた筋交い」の図面には、なぜか冴子の署名と捺印が残されていた――。 裏切りか、それとも。臨時株主総会の壇上、三百人の視線が突き刺さる中、洋介はマイクの前で静かに息を吸い込んだ。夫婦|裡の顔2.6万字5 351 -
完結第22話
離婚しても、うちの嫁を辞めていいとは言ってない
十七年の婚姻を終えた日、元夫一家は「やっと自由だ」と高級店で祝杯をあげた。しかし一週間後、元姑から「明日は通院日よ、車を出して」と当然のように電話が入る。「妻は辞めても嫁は辞めさせない」と憤る元夫一家を拒絶した私。初めて実母の病院に付き添った元夫は、六時間を超える待ち時間と検査の多さに打ちのめされ、玄関に残された五年分の膨大な管理ノートを開いて震え始める。因果応報|介護3.3万字5 817 -
完結第16話
夫の会社に弁当を届けたら「昔の知人」にされた
単身赴任中の夫を喜ばせようと、手作り弁当を持って横浜のオフィスを訪れた妻。だが受付で告げられたのは「奥様なら午前中にいらっしゃいました」という不穏な言葉だった。現れた夫は同僚の女性の前で妻を「昔の知り合い」と呼び、二年間も独身を偽っていたことが発覚する。職場で孤立した夫から「お前が横浜に来て俺の面目を立てろ」と要求された時、妻はテーブルの上に二通の書類を静かに並べた。裡切られた|修羅場2.5万字5 1729 -
完結第20話
小一の息子の問い「ママ、僕を捨てたの?」
半年間の闘病を終えて退院した妻を待っていたのは、「家に戻るな」という夫からの冷酷な宣告だった。小学一年の息子に会いたい一心で自宅へ向かうと、そこには妻の私物が処分され、軍隊のような日課表で息子を縛る夫の姿があった。さらに小学校から呼び出された夫婦に、担任から差し出されたのは息子の作文。「お母さんを家に帰してはいけません」――七歳の子が背負わされていた、歪んだ生活の現実に直面する。夫婦|親子関係3.0万字5 97 -
完結第15話
前のパパをこっそり好きじゃダメなの?
娘の再婚が決まり、安堵したのも束の間。七歳の孫が持ち帰った「家族の絵」は、実父の姿だけが紙の破けるほど消しゴムで削り落とされていた。「新しいパパを悲しませないため」と怯える孫は、新居で完璧な息子を演じ、思い出のオモチャを生ゴミに捨てられる。大人の都合で塗り潰される子どもの心。祖母である私は、両家が揃う祝いの席で、隠された事実を突きつける決意をする。祖父母と孫|親子関係2.3万字5 62 -
完結第18話
12年消えていた元夫が、娘の式で「父親」になる
クリーニング店を営み、女手一つで娘を育て上げた文子。娘の結婚式当日、12年前に蒸発した元夫が現れ「陰で娘を支えてきた」と嘘の美談を語り喝采を浴びる。悔しさを押し殺す文子に、娘は「父親の顔を立てて」と懇願。娘も嘘を知りながら父親を選んだのだ。さらに元夫は娘婿の家にも接近し、家族の過去を都合よく書き換えようとしていた。裡切られた|親子関係2.8万字5 82