毎朝7時、自治会長が各戸のチャイムを鳴らし、「在宅確認」を行うマンション。 引っ越してきたばかりの相沢健司は、娘・凛を守るため、その見守り活動への参加を断った。ところが翌日、自治会掲示板には「非協力世帯」として、父娘の名前と家族構成が貼り出されてしまう。 善意のはずだった見守りは、いつしか住民同士を監視する仕組みへと変わっていた。 そんな中、留守宅から現金や商品券が消える事件が相次ぐ。被害に遭ったのは、外出予定を自治会へ提出し、予備鍵を預けていた家ばかりだった。 誰が住民の情報を見ていたのか。誰が鍵を使ったのか。 そしてある日、健司と凛の部屋にも、静かに誰かが入り込んでいた――。 「安全のため」という言葉の裏で、住民たちが見落としていた本当の危険とは。