"断っただけで「要注意世帯」" 第4話
その言葉がに残った。
その夜、健司は自治会資料の《宅予定表》を机に置いた。
発。
帰宅。
宿泊先。
緊急連絡先。
考えてみれば、空き巣にとってこれほど便利な報はない。
しかも、その報を管理すると、戸の予備鍵を管理するが同じなのだ。
翌朝、エレベーターで代と会った。
「相沢さん。昨のことですが、あまり民をにさせるような言い方は控えてくださいね」
健司はし驚いた。
「僕がですか?」
「予備鍵を疑うような話をすれば、皆さんになります」
「実際に盗難が起きています」
「だからこそ、協力が必なんです」
代はそう言い残してりていった。
健司は閉まった扉を見つめた。
盗難が起きる。
だから、もっと報を集める。
もっと鍵を預けてもらう。
代のでは、すべてが「全のため」につながっているらしい。
しかし健司には、その全が逆向きに働き始めているようにしかえなかった。
そして翌週。
3件目の盗難が起きた。
今度は501号。
3の張から帰った男性の机から、商品券5万円分が消えていた。
そのもまた、自治会へ予定表を提していた。
3件目となると、管理会社も放置できなくなった。
エントランス、各階の廊、エレベーターの防犯映像が確認された。しかし、被害帯に部から侵入した審者は映っていなかった。
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以が入った形跡がない。
その事実が、かえって民をにさせた。
「じゃあ、このマンションのがやったってこと?」
夕、凛が聞いた。
健司は噌汁の椀を置いた。
「まだそう決まったわけじゃないよ」
「学でもみんな話してるよ。棒いるって」
「凛は変な噂を広げなくていいからな」
「分かってる」
そう答えた凛が、しばらくして「あ」と声をげた。
「そういえば昨、カード拾った」
「何の?」
凛は子をりると、ランドセルのさなポケットから青いプラスチックカードを取りした。
表面にはい文字で、
《自治会施設管理》
とかれている。
裏には《03》という番号が印刷されていた。
健司は嫌な予がした。
「これ、どこで拾った?」
「1階の集会の。落とし物箱に入れようとったけど、忘れてた」
翌朝、健司はカードを代へ渡した。
すると、代の表が瞬で変わった。
「これ……どこにあったんですか?」
昨までの気な顔ではなかった。
「集会のだそうです。凛が拾いました」
代はカードを握りしめた。
「これは自治会の予備カードです。集会と防災倉庫をけることができます」
「誰が使ってるんですか?」
「今は使っていません」
「使っていないカードが、どうして廊に落ちてるんです?」
代はすぐには答えなかった。
そのの夕方、自治会役員と管理会社の担当者が集まり、古い管理簿を確認することになった。
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03番のカードを最に正式利用していたのは、5まで防災担当を務めていた101号の森田修司だった。
57歳。
設備関係の仕事をしており、マンション内でも球やドアの具があれば声をかけられる物だった。
「森田さんが今も持っていたということですか?」
健司が尋ねると、代は首を振った。
「役員を辞めたに返却してもらっています」
「そのは?」
「集会の鍵付き引きしに保管していました」
川が壁際からを挟んだ。
「じゃあ、そこから誰かが持ちしたんだろ」
「誰でも取れる所ではありません」
代はすぐ反論した。
集会の物理鍵を持つのは自治会、副会、防災担当、そして管理会社。森田は現の役員ではない。
だが森田は設備に詳しく、実際に集会へ入りすることもあった。
その夜、森田本が呼ばれた。
管理会社の担当者が青いカードを見せると、森田はすぐに頷いた。
「懐かしいな。俺が防災担当の頃に使ってたカードだ」
「最に触ったのはいつですか?」
「役員を辞めただから、5じゃないですか」
「最、夜に集会へ入ったことは?」
森田はし考えてから答えた。
「ありますよ。非常灯とか設備の確認を頼まれたんで」
代が顔をげた。
「私が?」
「そうですよ。廊の非常灯と、防災ボックスの扉が固いって」
「非常灯はお願いしました。
でも、防災ボックスを見てほしいなんて頼んだ覚えはありません」
森田の顔から笑みが消えた。