"断っただけで「要注意世帯」" 第2話
真理はとの取引がい会社に勤め、の半分く張になることもあった。何度も話しった末、転を嫌がった凛が健司と暮らし、真理とは定期に会う形に落ち着いた。
健司自も週2は宅勤務だった。料理や学事で所のに助けられることもあり、域との付きいそのものを拒否したいわけではない。
だからこそ、線引きをしたかった。
昼過ぎ、凛とスーパーへかけようとエレベーターで1階へりた。
エントランス脇の自治会掲示板ので、凛が先にを止めた。
「お父さん、これ……」
掲示板の央に、朝にはなかったいが貼られている。
《見守り活・非協力世帯》
そのには、
《203号 相沢健司様》
と実名が記されていた。
さらに、
《学のお子様と暮らし。緊急の確認が困難になる能性がありますので、隣の皆様はお気づきの点があれば自治会までご連絡ください》
と続いていた。
健司は数秒、文章のを理解できなかった。
部番号だけではない。
自分の名。
学の娘と暮らしであること。
庭事まで、誰でも見ることのできる所へ貼りされている。
「これ、私たちのことだよね?」
凛の声がさくなった。
健司は無言でを剥がした。
「お父さん?」
「丈夫。凛は気にしなくていい」
そう言いながらも、腹の底ではりが膨らんでいた。
広告
そのまま代の部へ向かい、インターホンを押した。
ドアをけた代にを突きす。
「これはどういうつもりですか?」
代はを見ても驚かなかった。
「見守りを希望されない以、周囲の方に気にかけてもらった方がでしょう?」
「僕はこんなものを貼ってくれなんて頼んでいません」
「別に悪いことをいたわけではありませんよ」
「族構成までいてあります」
「秘密にするようなことでもないでしょう。皆さん体っていますし」
健司の声がくなった。
「僕が嫌だと言っています」
その、廊の向こうでドアがいた。
30代半くらいの女性が顔をした。
「あの……相沢さん」
彼女は浅井美奈と名乗った。同じマンションにみ、学2の息子がいるという。
「柿本さんのやり方が引なのは、私も分かるんです。でも、この制度のおかげで助かったもいるんですよ」
3、美奈の母親が遊びに来ていたに脳梗塞を起こした。朝の見守りに返事がなく、自治会から連絡を受けた美奈が異変に気づき、救急を呼ぶことができたという。
「もし見守りがなかったら、もっと発見が遅れていたといます。だから私は、この制度そのものは必だとっていて……」
美奈の話を聞けば、制度のは理解できた。
健司もし声を落とした。
「助かったがいることと、参加しないの個報を貼りしていいことは別ですよね」
広告
美奈は答えられなかった。
代は納得していない様子だったが、掲示物は撤すると約束した。
しかし、そのの夜だった。
凛が夕の途で箸を止めた。
「お父さん、今ね、公園で美ちゃんのお母さんに聞かれた」
「何を?」
「『お父さん、ちゃんとにいる? にされてない?』って」
健司の胸の奥がえた。
掲示物がていたのは、ほんの数だった。
それでも、もう話は広がっている。
健司はテーブルの向こうに座る娘を見た。
ただ朝7のチャイムを断っただけだった。
それなのに自分たちは、いつのにか「周囲が監すべき庭」にされていた。
その夜、健司は自治会から渡された資料をもう度いた。
《宅予定表》
《予備鍵》
《見守り名簿》
最初はただ面倒だとっていた言葉が、なぜか急に気悪く見えた。
そして2週。
その違が、別の形で現実になる。
最初の盗難は、304号で起きた。
が3泊4の旅から帰宅すると、宅配ボックスに入っているはずの商品が消えていた。配送会社の記録では確かに投函済みで、暗証番号通も届いていたが、管理会社が確認したにはボックスは空になっていた。
最初は配送業者の違いではないかとわれた。ところが数、今度は74歳の井静が「のから現がなくなった」と自治会へ相談した。
静はからろした3万円を封筒に入れ、寝の引きしへしまっていた。