"断っただけで「要注意世帯」" 第13話
難しいのは、その距だった。
ある曜。
廊で井静に呼び止められた。
「相沢さん、私、娘のところへくの」
以なら自治会へ提する「予定」だった。
今はただの会話だ。
「そうなんですね」
「曜に戻るから」
健司は瞬、どう返せばいいか迷った。
すると静が笑った。
「あんたに留守番頼んでるんじゃないよ。話したかっただけ」
「分かってますよ」
で笑った。
曜。
静の玄関を通れば、健司はしだけ気にした。
でも、覗いたり話したりはしない。
曜に廊で会えば、
「お帰りなさい」
と言う。
静は、
「ただいま」
と答える。
それだけだった。
見守るというのは、本来こういうことなのかもしれないと健司はった。
毎朝玄関をけさせることでもない。
先をかせることでもない。
鍵を預かることでもない。
普段顔をわせるが、いつもとし違うに、
「丈夫ですか?」
と尋ねる。
そして、
「丈夫です」
と言われたら、必以に踏み込まない。
川は今でも々写真を撮っていた。
ただし、の顔や部番号は写さなくなった。
「また記録ですか?」
ある、健司が聞くと、川はマンション横の壊れた灯を指した。
「これは写真撮っとかないと管理会社が直さない」
「それならいいです」
「おに許もらう必はない」
「そうですね」
相変わらず面倒なだった。
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でも、健司はもう嫌いではなかった。
美奈の夫・康平の裁判は続いていた。
美奈は婚を決めた。
そのことを健司がったのは、所の噂からではない。
美奈自が玄関まで挨拶に来た。
「引っ越すことになりました」
「そうですか」
「悠斗の学も変わるので、凛ちゃんにも伝えてもらえますか」
「分かりました」
美奈はしをげた。
「あの、相沢さんのことを柿本さんや夫に話してしまったこと、本当にすみませんでした」
1、健司は、
《今はまだ普通には話せない》
と答えた。
今はし違う。
「もう、普通には話せます」
美奈が顔をげた。
健司は続けた。
「でも、忘れたわけじゃないです」
「はい」
「それでいいとっています」
美奈はし笑った。
「私もです」
引っ越しの、凛と悠斗は泣いた。
は自分たちで連絡先を交換した。
健司は止めなかった。
親の問題と子どもの友は別だ。
の都で全部をつにしてはいけない。
それもこので学んだことだった。
祭りの。
健司は本当に焼きそば係を担当した。
代は壇仲とみ物を配り、川は鉄板のそばで、
「温度がいぞ」
と何度もをした。
「だったら代わってくださいよ」
「俺は腰が悪い」
「都いいですね」
凛は友達と浴姿でり回っていた。
午7。
担当が終わり、健司がエプロンをすと、しい自治会が声をかけた。
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「相沢さん、もしがあれば片付けもお願いできますか?」
健司は公園の向こうを見た。
凛と緒にを見る約束をしている。
「すみません。今はここまでで」
以なら、
《皆さんやっていますから》
と言われたかもしれない。
会はただ笑った。
「分かりました。2ありがとうございました」
「お疲れさまです」
健司はそのをれた。
公園では凛が待っていた。
で並んで座り、夜空を見る。
周囲にはマンションのが勢いた。
顔をっている。
らない。
苦な。
助けてくれた。
傷つけた。
全部、同じ所で暮らす所のだった。
族ではない。
必ずしも友達でもない。
だからづきすぎる必はない。
でも、誰にも無関でいる必もない。
がつ、きく夜空にいた。
「お父さん、見た?」
凛が腕を引く。
「見たよ」
1。
朝7にチャイムが鳴るたび、この町が嫌いになるとっていた。
今は、そうでもなかった。
制度は度壊れた。
関係にも傷が残った。
それでも壊れたからこそ、自分たちでしい距を決め直すことができた。
《何かあったら声をかける》
《でも、何もなければ勝に入らない》
たったそれだけの距を覚えるまで、このマンションにはずいぶんきな事件が必だった。
健司は夜空を見げた。
来の祭りも、焼きそば係を2くらいなら引き受けてもいい。
そうえる程度には、この町が自分たちの暮らす所になっていた。
完