みかん小説
本棚
みかん小説 / 職場逆転 / じいちゃんの遺言
じいちゃんの遺言

じいちゃんの遺言

鈴木 翔太 完結 380

「ごめんなちゃい……」猛吹雪の夜、古民家の玄関に倒れていたのはボロボロの服を着た幼い双子の姉妹だった。利益至上主義のレストランで人間関係に疲れ果て、山奥の古民家に逃げ込んできた元高級ホテルのシェフ・千葉和人(38)。行き場のない母子を助けたことから、閉ざされた男の人生が音を立てて動き出す。 病に倒れた母親・美咲を救い、双子と囲む温かい食卓。それは和人がかつてホテルで失った「情熱」と「誰かを想う心」を取り戻していく日々だった。だが、彼女たちがこの雪山へ命がけで逃げてきた背景には、夫による暴行と多額の借金という暗い影が潜んでいた。蔵で見つけた祖父の遺言には「心を閉ざすな。愛を受け入れろ」と綴られており、血の繋がらない家族を守るため、和人は過去の孤独を捨てて決意を固める。 果たして、平穏を取り戻したかに見えた山奥の古民家に迫る影の正体とは。そして、和人が選んだ本当の「家族の味」の行方は——。

今すぐ読む