みかん小説
本棚

"じいちゃんの遺言" 第9話

夫に見つかれば、またあの子たちに危険が及びます。でも、おもなくて……」 「なら、ここにいればいい」 俺はコーヒーをすすり、何でもないことのように、あえて淡々と言った。 「え?」 美咲が驚いて顔をげる。 「部なら余ってる。畑もあるし、米も野菜もある。うには困らねえ。それに……」 俺は、庭で無邪気にはしゃぐ2を見た。 「あいつらがいないと、静かすぎて調子狂うんだよ。たった晩で、すっかりペースを乱された」 俺の照れ隠しの言葉に、美咲はポカンとした顔をしたがほころぶような、本当に美しい笑顔を見せた。 「はい。かましいですが……よろしくお願いします」

「やったー!!」 「ちばちゃーん!!」 いつのにか縁側ので会話を聞いていた双子が、まみれのままびついてきた。 「つむも! つむもここにいる!」 律も反対側から俺のにしがみついてくる。 「うわっ、やめろ! おら、につくだろ!」 では文句を言いながらも、俺は2を振り解こうとはしなかった。たい触と、それ以に温かい子供たちの体温。 俺の止まっていた計の針が、確かな音をててした瞬だった。それから、賑やかで温まる々が始まった。

の昼がり。 根に積もったが限界に達しそうだったため、俺はろしの準備を始めた。スキーウェアを着込み、袋をはめる。

広告

すると、居で折りをして遊んでいた2が、俺の格好を見てめきった。 「あ! ちばちゃんおくの?」 「つむもく! 遊びする!」 2が目を輝かせて駆け寄ってくる。だが、根からの落作業は、にいると命に関わる危険がある。 「ダメだ。危ねえからで待ってろ」 俺がピシャリと言うと、2満そうにぷくっと頬を膨らませた。 「やだ! 私もく! お伝いするの! お役につの!」 どうやら、先俺が「おたちがいてくれて役にってる」と言った言葉を、物理な労働というで捉えてしまったらしい。そのやる気は買いたいが、まといになる未来しか見えない。 「おらなぁ。は寒いぞ」 「寒くないもん! いもん!」 2は腕をまくりげ、細い腕で力こぶを作るポーズをした。その真剣な差しに、俺は負けたとばかりにため息をついた。 「分かったよ。その代わり、絶対に俺の言うことを聞けよ。根のには入るな」 「あい!」

俺は押し入れをごそごそと漁り、昔、母さんが使っていた古い防寒着やマフラーを引っ張りした。当然、4歳児にはデカすぎる。 「ほら、じっとしてろ」 ブカブカの着を無理やり着せ、すぎる袖を何にも折り返す。 「お化けだぞ〜」 「まて〜か〜」 2は互いの格好な姿を見て、指を差して笑い転げた。最に俺の使い古した軍をはめさせた。

広告

指先が余りすぎて、まるで宇宙だ。 「これ何?」 律が指差したのは、おもちゃ箱の隅にあったプラスチックのさなスコップだ。以所の子供が忘れていったものだろう。 「それがおらの武器だ。探検隊、!」 俺が号令をかけると、2はビシッと敬礼した。 「「はい! !」」

こうして、ちっぽけな探検隊が結成された。俺たちは庭にて、根から落ちたの処理を始めた。 ザクッ、ザクッ、と鉄のスコップがい込む音が、静寂なに響く。 俺のすぐろでは、2がプラスチックのスコップを構えていた。その姿は、俺の古い軍とマフラーで完全武装した、派な探検隊だ。 「私たちここにいるから!」 「お役にちましゅ! 働きます!」 2息を荒くして、さな胸を張った。どうやら、居候としての分を子供なりに気にしているらしい。その健気な決に、わず頬が緩みそうになるのを必にこらえた。 「邪魔すんなよ」 俺が言うと、2は「あい!」と元気よく返礼し、勇ましくへと突撃していった。

「えいやぁ!」 「よいしょ! よいしょ!」 2さなスコップで、く凍ったを必につっついている。だが、プラスチックの刃がつはずもなく、の表面を優しく撫でているだけだ。 それでも、2の表は真剣そのものだ。額に汗をにじませ、真っ赤な顔で作業を続けている。

そのだった。 律が欲張って、自分の顔よりきなの塊を持ちげようとしたが、バランスを崩した。 「あ……」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: