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帰る家は、ちゃんとあった

帰る家は、ちゃんとあった

月あかりの栞 完結 0

ある日突然、夫の順一は要介護の義母を家へ連れてきた。 何の相談もなく同居介護を押しつけられた霞。これまでも義母の世話を続けてきたが、感謝されるどころか暴言を浴び、夫からも在宅の仕事を見下され続けていた。 そして夫は笑いながら言い放つ。 「同居介護が嫌なら出ていけよ。親なし女に帰る家があるならな」 幼い頃に両親を亡くした霞には、逃げ場などない。夫も義母もそう信じていた。 しかし霞は静かに答える。 「なら離婚で。実家に帰ります」 夫が知らなかっただけで、霞にはずっと守られてきた家があった。そして彼女の背後には、幼い頃から霞を支え続けた兄の存在があった。 妻を追い詰めた夫が、後日ようやく知ることになる。自分が馬鹿にしていた妻の仕事も、母を入れようとした介護施設も、すべて思いもよらない場所につながっていた――。

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