「父ちゃん、今日も合格通知、来てない?」 正吉は新聞から目を上げず、「来てない」と答えた。 修一は、自分は落ちたのだと思った。 ところが翌朝、母が仏壇の引き出しから見慣れない封筒を見つけた。 宛名は修一。 差出人は、受験した県立高校だった。 震える手で封を切ると、そこには《合格》の二文字。 しかも消印は、三日前だった。 その日の夕方、修一は通知を食卓へ置いた。 「父ちゃん、これ知ってた?」 父はしばらく黙ったあと、低い声で答えた。 「ああ。俺が隠した」
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