社長が突然姿を消し、3か月分の給料を受け取れないまま職場を失った38歳の看板職人・沢村光一。 一緒に取り残されたのは、営業担当の真希、経理担当の春奈、そして住む部屋まで失いかけていた23歳のデザイナー・凛だった。「どこか泊めてください」と頭を下げる凛を前に、光一はほかの2人も見渡し、「うちに来い。全員だ」と告げる。 築古の一軒家で始まった、1日500円の食費による4人の共同生活。再就職先さえ見つからない中、彼らはそれぞれの技術を持ち寄り、自宅の1階で小さな看板屋を始めることを決意する。 ところが開業準備中、春奈がインターネット上で奇妙な会社を発見した。そこには4人が以前制作した看板が実績として掲載され、代表者には消えた社長・黒田剛の名前が記されていた。 しかも、その会社が設立されたのは、黒田が夜逃げしたわずか4日後だった。給料も社員も捨てた男は、最初から自分だけ再出発する準備をしていたのか。すべてを失った4人の小さな挑戦が、黒田の隠していた計画と再び交差していく――。