「お盆は3日だけ実家に帰るね」。そう告げた恵子に、夫は「せいせいする」、20歳の息子まで「そのまま帰ってこなくていい」と笑った。だが2人は知らなかった。恵子は半年かけて必要な荷物を実家へ移し、離婚届にもすでに署名していたことを。翌朝8時30分、28年間の結婚生活を終わらせた恵子は、そのまま実家へ向かう。一方、妻がいなくなった家には夫の愛人が大きなキャリーケースを持って現れ、3人で新生活を始めようとしていた。ところが翌朝、ガス、電気、水道が次々と止まり、さらにリフォーム会社から告げられた一言で夫の顔色が変わる。「この土地と建物の所有者は、佐藤恵子様です」――。