"3日だけ帰るはずだった妻" 第4話
テーブルには空になった寿司桶と価なワインの瓶があり、浩司と達也はテレビを見ながらくつろいでいた。
「お葬式、終わったの?」
達也は振り返りもせずに聞いた。浩司は「疲れてるから、呂はにする」と言っただけだった。
母を見送ったに、夫と息子は誰かと級寿司をべていた。その景を見た瞬、つなぎ止めてきたものが胸ので静かに切れた。
それから私は、のに残された違を記録し始めた。
週に数回コンビニで働くだけの達也の部には、5万円を超えるスニーカーやしいブランド財布が増えていった。尋ねても、「先輩からく譲ってもらった」と嫌になるだけだった。
ある朝、洗濯物のポケットから、折り畳まれた領収がてきた。都内の焼肉で使われた額は3万5000円。余には、丸みのある文字でこうかれていた。
〈達也君、20歳のお誕おめでとう。裕子より〉
私は領収をスマートフォンで撮し、元の所へ戻した。鳴をげる代わりに、証拠を1枚残す。そのから、それが私の習慣になった。
夫のスーツについた甘い、帳に並ぶ「Yと事」「Yと達也」の予定、達也の座へ毎振り込まれていた5万円。ばらばらだった違は、1の女をにつながっていった。
そして決定だったのは、浩司が酔ってソファで眠った夜だった。
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テーブルのでスマートフォンが震え、ロック画面にい通が浮かんだ。
送信者は、野裕子。
〈今も達也君、んでくれてよかった。くあの女を追いそうよ〉
第5話 百万円の名義
〈今も達也君、んでくれてよかった。くあの女を追いそうよ〉
浩司のスマートフォンに表示されたその文を、私は自分の端末で撮した。酔って眠る夫の顔と、柔らかな言葉で私を排除しようとする女の名が、同じ画面に収まった。
翌、私は藤井弁護士の事務所を訪ねた。
「この通だけでは貞の決定な証拠になりません。ただ、調べる発点にはなります」
藤井先は易に勝てるとは言わなかった。だからこそ信頼できた。私は紹介された調査会社に依頼し、浩司には何も気づいていない妻を演じ続けた。
3週、届いた報告には、私がらなかった族の姿が並んでいた。浩司と裕子がホテルへ入る写真だけではない。達也も緒に級レストランで事をし、3で温泉旅館へ泊まっていた。写真のの息子は、裕子にもらったブランドの袋を抱え、私には見せなくなった無邪気な笑顔を浮かべていた。
その頃、達也の部のごみ箱からATMの利用細も見つかった。残は35万円を超え、直の振込欄には〈ミズノユウコ 5万円〉と印字されていた。
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週に数回のアルバイトだけで増えたではない。
私は細を撮して元へ戻し、達也の好きな唐揚げを夕にした。彼は礼も言わず、スマートフォンを見ながら半分残した。
「裕子さんの料理なら、もっと見た目もきれいなのにな」
その言葉を聞いた、胸の痛みより先に、証拠を集めるが鈍らなくてよかったとった。
問題は倫だけではなかった。浩司の斎には、いつも鍵のかかった引きしがあった。以、鍵を机のマットのへ隠すところを見たことがある。浩司が勤し、達也も学へった平の昼、私は初めてその鍵を使った。
には複数の通帳と契約が入っていた。通帳の残を遡ると、5には計1000万円を超えていたのに、直では47万8200円しか残っていない。私には毎10万円だけ渡し、「りないならもっと働け」と言いながら、浩司は族に隠して貯めたを使い込んでいた。
さらに通帳のから、銭消費貸借契約がてきた。
借入額は500万円。借主は浩司だが、連帯保証欄には私の名がかれ、保管していたはずの実印まで押されていた。署名は、よく見れば浩司の跡だった。
同じ付の振込控えには、500万円の送先として〈株式会社YUプランニング〉とある。裕子が経営する会社だった。
指先からが引いていった。浩司は私を追いすだけではりず、へ渡すの責任まで背負わせるつもりだったのだ。
私は契約と通帳を1枚ずつ撮し、そののうちに藤井先へ送った。