1991年、川崎市の市民文化会館で、合唱団に所属する3人の女性が練習後に忽然と姿を消した。 通帳も財布も身分証も残されたまま。家族を置いて消える理由など、誰にも思い当たらなかった。だが、手がかりは見つからず、事件はやがて「自発的失踪」として片づけられていく。 それから20年後。 老朽化した文化会館の解体工事中、作業員が地下の図面にないコンクリート壁を発見する。そこだけ不自然に塞がれた壁。ハンマーで崩した先にあったのは、20年間誰にも見つからなかった暗闇だった。 なぜ3人は消えたのか。 誰がその壁を作ったのか。 そして、合唱団の歌声が響いていた会館の地下で、本当は何が眠っていたのか――。