2013年6月、鎌倉の海辺の旅館で、4人の大学生が最後の夜を過ごしていた。 1週間後にアメリカへ旅立つ浩司の送別会。花火を終えた4人は、旅館の白い壁の前で笑顔の写真を撮り、「最後の夜 浩司頑張って」という言葉を残して帰路についた。 だが、その車は家に着かなかった。 深夜0時40分、4人の携帯電話の電波は江の島付近で同時に途切れ、白いカローラも忽然と姿を消す。唯一見つかったのは、森の中に落ちていた恵美の赤い帽子だけだった。 捜査は難航し、事件は未解決のまま時間だけが過ぎていく。 そして7年後。 中古車店に並んだ1台の白いカローラ。そのグローブボックスから、あの夜に撮られた4人の写真が見つかる。 なぜ失踪した車が、今になって現れたのか。 写真の裏に残された「最後の夜」という文字が、7年間止まっていた事件の扉を再び開く――。