みかん小説
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"最後の夜の写真" 第10話

その文字を、浩司の父、正雄は眩しそうに見げていた。

殿堂のは、るいに満ちていた。壁には、4が映った写真が何枚も飾られている。の制姿でふざけう写真。学の入学式のに撮った、し緊張した面持ちの写真。

そして、あの鎌倉の夜、旅館ので撮られた最の笑顔の写真。その1枚1枚が、彼らが確かにこの世界にし、笑い、を見ていたことを物語っていた。

央にはきなガラスケースが置かれ、そのにはあの事件のきっかけとなった毛糸の子や、学証、講義で使っていたノートなどが静かに展示されている。それはまるで、が止まった彼らの部をそのまま再現したかのようだった。来者は皆、おしむようにその遺品を見つめ、若くして断ち切られた命にいを馳せていた。

式のクライマックスで、学が静かに発表をった。

「本ここに、4名の名を冠した奨学制度『浩司・子・健・絵美基』の設を宣言いたします」

この基は、4のように固い友で結ばれ、互いに助けいながらを追いかける学たちを支援するためのものだという。劇をただの劇で終わらせない、彼らのを未来の若者たちへと繋いでいく。その温かな志が、会全体を包み込んだ。

式の最に、奨学の第1期に選ばれたという法学部の女子学が、代表として挨拶にった。

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彼女はし緊張した面持ちでマイクのつ。

「私は4の先輩方のことを、事件を通じてしかりません。しかし、この殿堂にある写真やご族のお話を通して、彼らがどれほど素らしい友で結ばれていたかをりました。最に仲を守ろうとしたその勇気を、私は決して忘れません」

彼女はそう言うと、飾られた4の写真に向かって々とげた。

「先輩たちのいを引き継ぎ、を助けられるになれるよう、精杯学びます。空のから、どうか見守っていてください」

その言葉を聞きながら、子の母はそっとハンカチで目を押さえた。しみは決して消えることはない。しかし、娘たちのきた証がこうして若い世代に受け継がれていく、その事実に筋の救いをじていた。

式が終わり、々がったの静かな殿堂。番最に飾られた、あの鎌倉の夜の写真の。誰が向けたのか、本のい百が夕を浴びて静かに輝いていた。まるで、4つの魂がらかに微笑んでいるかのように。

の殿堂ができてから、さらに数の歳が流れた。

浩司の父、正雄は仕事から完全に引退し、妻と2、京都の自宅で静かな々を送っていた。事件直のような激しいの痛みは鈍い疼きへと変わっていたが、息子のという現実は、部の隅の埃のように常のあらゆる所に静かに積もっていた。

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あるの午、郵便受けに通の見慣れない封筒が届いているのに気がついた。差しの名はない。ただかれているのは、彼が役している刑務所の所だった。正雄の臓が、ドク、とい音をてた。封をける指がかすかに震える。

それは、息子を殺した共犯者の1から届いた、初めてのだった。彼は便箋数枚にわたって綴られた、拙い文字を黙って読みめた。そこには、事件への悔と、自らの犯した罪のさに対する苦悩が繰り返し記されていた。そしての最は、こう結ばれていた。 『ご息女、ご息子の優しさを裏切った私を、涯許せないのは当然のことといます。ただ言だけでも謝罪させてください。本当に、申し訳ありませんでした』

正雄はを読み終えると、それをそっとテーブルのに置いた。以の自分であれば、こんなは見分けるなり破り捨てていただろう。憎しみとりに燃えていたあの頃。しかし、7の歳は、頑なだった彼のしずつ変えていた。

憎み続けることに疲れてしまったのかもしれない。あるいは、「息子がきていたら、こんな自分を望んだろうか」と考えるようになったからかもしれない。

その夜、正雄は久しぶりに息子のを見た。で、浩司はアメリカの学の、陽り注ぐ美しいキャンパスを歩いていた。

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