1990年、鳥取の小さな町で、42人の高校生がクラスごと忽然と姿を消した。 合宿先から消えた彼らは、遺体も荷物も見つからず、事件はいつしか「神隠し」と呼ばれるようになる。息子・勇気を失った母・大山さち子は、27年間、彼の部屋をあの日のまま残し、帰りを待ち続けていた。 しかしある日、古い卒業アルバムを開いたさち子は、集合写真に奇妙な変化を見つける。 42人のうち、5人の顔にだけ浮かび上がった黒いシミ。 ただの劣化とは思えないその印を追って、さち子は被害者家族、廃校となった母校、そして子どもたちが最後に目撃された海岸へ向かう。 誰も語ろうとしない町。 担任教師が隠していた「星探しの約束」。 そして夢の中で息子が指し示した、夜の海と一粒の砂。 27年間閉ざされていた真実は、消えた子どもたちが本当に“どこへ行ったのか”を静かに示し始める――。