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東京駅に消えた母

東京駅に消えた母

駅前の白い記憶 完結 0

1988年、ソウル五輪の熱気に包まれていた東京駅で、72歳の老女・佐倉ミサが忽然と姿を消した。 初期の認知症を患っていた彼女は、長男の一に連れられて駅を訪れていた。息子は「母が手洗いに行ったまま戻らない」と警察に訴え、必死に捜索ビラを配り続ける。 町の人々は、母を見失ったことを悔やみ続ける一を「親孝行な長男」だと信じていた。 しかし27年後、古い捜査記録の中から、奇妙な銀行記録と1枚の乗車券台帳が見つかる。 ミサが行方不明になる直前、彼女名義の通帳から金を引き出していた人物。 そして東京駅で売られていた、熱海行きの切符。 27年間、供養を続けてきた長男の涙は、本物だったのか。 東京駅の人波に消えたはずの老母の行方と、親孝行を演じ続けた息子の正体が、ついに明らかになる――。

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